高知論叢102号

高知論叢102号 page 169/222

電子ブックを開く

このページは 高知論叢102号 の電子ブックに掲載されている169ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
中欧における日本電気機械企業の現地調達167る。ハンガリー(表C)は,「日本」の回答率が非常に高かったが2005年度頃から急速に低下してきている。他方で「中国」の回答率が高い水準にある。すなわち,日本からの調....

中欧における日本電気機械企業の現地調達167る。ハンガリー(表C)は,「日本」の回答率が非常に高かったが2005年度頃から急速に低下してきている。他方で「中国」の回答率が高い水準にある。すなわち,日本からの調達の重要性が低下し,中国からの調達の重要性が上昇しているという特徴がある。(6) なお「主要3 カ国の国別状況」について見ると,表7 に示されているように,ポーランドは「日本」「ASEAN」からの調達比率が高く「西欧」「中国」からの調達比率が低い,チェコは「中東欧」「西欧」からの調達比率が高く「ASEAN」からの調達比率が低い,ハンガリーは「中国」からの調達比率が高く「西欧」からの調達比率が低い,といった特徴が示されている。これらの特徴は,「注(5)」で記した「調達先」回答率の特徴と,全体的には同様である傾向が強いが(ポーランドの日本調達の高さ,チェコの中東欧現地調達の高さ,ハンガリーの中国調達の高さ),一部異なっている傾向も見られる(チェコの西欧調達の高さ,ハンガリーの西欧調達の低さ・日本調達の高さ)。(7) なお「主要3 カ国の国別状況」について見ると,それぞれの全体的な傾向は,本文の表8 に示されている中東欧全体の傾向とそれほど大きな違いはない。その中で,各国・各産業の特徴としては,以下のような点を指摘することができる。ポーランド(表D)は,「納期」に関してはかなり大きな低下傾向を示している。チェコ(表E)は,中東欧全体では緩やかな低下傾向にある「コスト」が横ばい傾向で低下を示していない。ハンガリー(表F)は,中東欧全体で大きく低下している「品質」について,以前は非常に高い水準にあったが急速な低下の傾向を示している。また「コスト」に対する回答率の水準が高い傾向を示している。(8) 苑志佳(2006),和田正武・安保哲夫(2005)。なお,分析対象企業は,チェコ7社(電機組立1 社,電機部品2 社,自動車部品3 社,その他1 社),スロバキア3社(電機組立1 社,自動車部品2 社),ハンガリー11社(電機部品5 社,自動車部品6 社),ポーランド8 社(電機部品1 社,自動車組立2 社,自動車部品4 社,その他1 社),合計29社である(苑(2006)p. 20)。(9) 苑(2006)p. 4,pp. 26-36。 表C 在中東欧現地法人の調達先(複数回答)〔 ハンガリー〕(%)年  度1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2008 2009進出国内100.0 92.9 60.0 69.6 75.0 69.2 66.7 45.8 ― ― ―中東欧(進出国を除く) 33.3 42.9 40.0 8.7 43.8 7.7 8.3 54.2 50.0 63.2 62.5中東欧(進出国を含む) ― ― ― ― ― ― ― ― 50.0 63.2 62.5西欧88.9 100.0 86.7 87.0 87.5 84.6 83.3 58.3 55.6 68.4 68.8日本77.8 85.7 80.0 87.0 93.8 92.3 83.3 70.8 66.7 73.7 62.5中国― ― ― 17.4 18.8 23.1 41.7 25.0 27.8 21.1 31.3ASEAN ― ― ― ― ― ― ― ― 22.2 15.8 25.0回答企業合計(社) 9 14 15 23 16 13 12 24 18 19 16(注)(出所)表4に同じ