高知論叢102号

高知論叢102号 page 208/222

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206 高知論叢 第102号キュラムとしてどう構築するか,が人文学部として,学科として検討し,提示することが求められていると思う。2004(平成16)年度に高知大学の高度化の重点施策として独立研究大学院:黒潮圏海....

206 高知論叢 第102号キュラムとしてどう構築するか,が人文学部として,学科として検討し,提示することが求められていると思う。2004(平成16)年度に高知大学の高度化の重点施策として独立研究大学院:黒潮圏海洋科学研究科(後期3年博士課程)が設置された。この研究科に社会経済学科から2名が移籍することになった。2名の社会経済学科での担当授業科目は主としてミクロ経済学,統計学であった。黒潮圏海洋科学研究科には社会科学系ポストが配置されている。この黒潮圏海洋科学研究科は,設立時は独立研究大学院であったので学部や他の大学院研究科との職務,関与をどのようにするか,について明確にルール化をしてなかった。独立研究大学院での職務に支障ないところで協議しながら,協力関係を持ってもらいたい,というお願いして,学科の授業科目等を担当してもらってきたのが実情である。その後,大学院が一研究科となり,副専攻,準専攻などができ,組織変更があったので再度,協力の在り方を協議する必要があろう。初年次教育の重要性を考慮した共通教育の見直しが取り組まれ,自律協働科目,領域別単位数の変更などがなされた。この初年次教育は,学士課程教育と教養教育とを含む大学教育の改善の課題として,学科,学部がその考え方を示し,カリキュラム編成を学生と協力して策定し,中味を実践することが不可欠である。2008(平成20)年度に入試方法として新たにAO入試が実施された。AO入試の目的は,合格できる大学の入試志願をするという傾向や入学試験の機会のうち前期試験の合格者の均質化が進む中で学科の提供する勉学機会の内容と学生とのミスマッチをなくすためにマッチングのプロセスを経て,入学してもらおうということと,意欲,資質などの多様な学生を求めることにある。数年の施行を経て,AO入試入学者の活躍,勉学意欲,進路などをフォローアップして検証する必要がある。加えて入試業務の負担が教員の側の限度に近づいていることも配慮する必要がある。