高知論叢102号

高知論叢102号 page 23/222

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21 論 説国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応山  内  高 太 郎  はじめに国際会計基準審議会(IASB)は,前身団体である国際会計基準委員会(IASC)の作成した金融商....

21 論 説国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応山  内  高 太 郎  はじめに国際会計基準審議会(IASB)は,前身団体である国際会計基準委員会(IASC)の作成した金融商品会計基準である国際会計基準(IAS)第32号「金融商品:開示と表示」及びIAS 第39号「金融商品:認識と測定」について,アメリカ財務会計基準審議会(FASB)とのジョイント・プロジェクトとして見直しを行ってきた。現在進行中の金融商品会計基準プロジェクトの足がかりとして公表されたのが,2008年3 月のディスカッション・ペーパー「金融商品の報告における複雑性の低減」(Reducing Complexity in Reporting Financial Instruments)であった。その後,サブプライム・ローン問題1により2008年9 月,リーマン・ブラザーズが経営破綻し,各国においてこの経営破綻に起因する国際的な金融危機への対応が必要となった。各国の金融危機への対応の中で,金融危機の一因として会計基準が問題とされたことで,IASB は,とくに金融商品会計基準について,会計の問題としてだけでなく政治,経済等の要請も考慮して会計基準を開発することを求められた。本稿では,IASB の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応を検討するために,まず,足がかりとなったディスカッション・ペーパー「金高知論叢(社会科学)第102号 2011年11月