高知論叢102号

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22 高知論叢 第102号融商品の報告における複雑性の低減」を取り上げ,IASB がどのような視点で金融商品会計基準を見直そうとしたのかを明らかにし,2008年から現在までのIASB の金融商品会計基準の開発に影響を与え....

22 高知論叢 第102号融商品の報告における複雑性の低減」を取り上げ,IASB がどのような視点で金融商品会計基準を見直そうとしたのかを明らかにし,2008年から現在までのIASB の金融商品会計基準の開発に影響を与えた事象をとりあげ,これらによりディスカッション・ペーパーで示された方向性にどのような変化があったか考察を行った。1.ディスカッション・ペーパー「金融商品の報告における複雑性の低減」IASB は,2008年3 月,ディスカッション・ペーパー「金融商品の報告における複雑性の低減」(以下,DP2008)を公表した。DP2008公表までの主な経緯をまとめると図表1 のようになる2。また,DP2008の内容は,1991年に 図表1 DP2008公表までの主な経緯年トピック概      要1986年FASB が金融商品プロジェクトに取り組む次の4点について解決を図る?金融商品の測定方法と利得と損失の報告方法?特別目的実体の連結を含む,金融資産と金融負債の認識の中止?金融派生商品の会計(ヘッジ)?負債商品と持分商品の区分1988年IASB が金融商品プロジェクトに取り組む1993年FASB によるSFAS114の公表債権者によるローンの減損の会計1993年FASB によるSFAS115の公表負債証券と持分証券における特定の投資の会計1995年IASC によるIAS32の公表金融商品:開示と表示1998年FASB によるSFAS133の公表金融派生商品とヘッジ活動の会計1998年IASC によるIAS39の公表金融商品:認識と測定2005年IASB によるIFRS7の公表金融商品:開示2006年FASB によるSFAS155の公表特定のハイブリッド金融商品の会計2006年FASB によるSFAS157の公表公正価値測定2007年FASB によるSFAS159の公表金融資産と金融負債の公正価値オプション