高知論叢102号

高知論叢102号 page 29/222

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国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応273. 2008年10月のIAS 第39号とIFRS 第7 号の改訂?  2008年10月のIAS 第39号とIFRS 第7 号の改訂の背景2008年9 月にリーマン・ブラザー....

国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応273. 2008年10月のIAS 第39号とIFRS 第7 号の改訂?  2008年10月のIAS 第39号とIFRS 第7 号の改訂の背景2008年9 月にリーマン・ブラザーズが経営破綻した。リーマン・ブラザーズの経営破綻に起因する金融危機への対応のため,2008年10月12日にブリュッセルで開かれたユーロ圏首脳会議の決定により,IASB はIAS 第39号の改訂が求められた。これは,欧州の金融機関がアメリカ会計基準とIFRS の規定が異なることによる不利な扱いを受けることがないよう,IAS 第39号のパラグラフ50の改訂を求めたものである。この決定にIASB が対応できない場合は,EU はIAS 第39号のパラグラフ50をカーブアウトするというものであった。IASB はこの決定に対応するため,通常のデュー・プロセスを経ることなしに,IAS 第39号及びIFRS 第7号の改訂を行い,2008年7 月1 日に遡って適用するとした18。この改訂は,2008年10月13日に「金融資産の再分類」として公表され,その内容は,デリバティブ,公正価値オプションを適用した金融資産以外の金融資産を公正価値で測定する区分から償却原価で測定する区分への変更を認めるとともに,IFRS 第7 号を改訂することによって,その変更に伴う情報提供を充実させるというものであった。IAS 第39号パラグラフ50「区分変更(Reclassifications)」50 実体は,? デリバティブを保有または発行している間は,それを純損益を通じて公正価値で測定する区分から区分変更(reclassify)してはならない。? 当初認識時に実体により純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された場合には,いかなる金融商品も純損益を通じて公正価値で測定する区分から区分変更してはならない。? 金融資産が,もはや近いうちに(near term)売却または買戻しを行う目的で保有されていない場合(その金融資産が主として近いうちに売却または買戻しを行う目的で取得した,または発生したものであったとしても)で,パラグラフ50B または50D