高知論叢102号

高知論叢102号 page 41/222

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国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応39② 金融負債の分類と測定2009年7 月の公開草案「金融商品:分類と測定」では,金融資産,金融負債の規定について提案がなされていたが....

国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応39② 金融負債の分類と測定2009年7 月の公開草案「金融商品:分類と測定」では,金融資産,金融負債の規定について提案がなされていたが,2009年に公表されたIFRS 第9 号では,金融資産についてのみ基準が公表され,金融負債についてはさらに検討が行われることとなった。検討の結果,2010年に公表されたIFRS 第9 号では,IAS 第39号の金融負債の分類及び測定に関するほぼすべての規定を引き継ぐこととなった。このため,2010年公表のIFRS 第9 号では,金融負債を当初認識において公正価値で測定し44,事後測定は,実効金利法による償却原価で行うこととなった。ただし,デリバティブを含む金融負債などは,公正価値で事後測定しなければならないとしている45。また,2010年公表のIFRS 第9 号では,当初認識時に,取消不能な選択として公正価値オプションを適用することができる46が,IAS 第39号と異なり,公正価値オプションを適用した場合の金融負債の利得及び損失は次の?,?のように表示される47こととなった。ただし,この区分表示によって会計上のミスマッチが拡大する場合(enlarge),公正価値オプションを適用したローン・コミットメントや金融保証契約(financial guarantee contracts)の利得及び損失は,損益に計上される48。? 金融負債の信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は,その他の包括利益(other comprehensive income)に表示する? 金融負債の公正価値の変動の残存額は,損益(profit or loss)に表示する③ 持分金融商品の例外規定IFRS 第9 号では,持分金融商品を償却原価で測定する区分に分類することができないため,公正価値で測定することになる。例外規定として,当初認識時に売買目的で保有されている場合を除き,取消不能な選択として,事後測定において公正価値の変動をその他の包括利益で認識することができる。例外規定を選択した持分金融商品を売却した場合,その他包括利益で認識されていた