高知論叢102号

高知論叢102号 page 47/222

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国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応4528 IASB は,金融資産の減損に対する予想損失モデルの使用可能性に関する情報の依頼を公表した。減損は,IASB がIAS 第39号の包括的な....

国際会計基準審議会の金融商品会計基準プロジェクトにおける金融危機への対応4528 IASB は,金融資産の減損に対する予想損失モデルの使用可能性に関する情報の依頼を公表した。減損は,IASB がIAS 第39号の包括的な見直しの第2 フェーズで取り上げている問題の1 つである。・発生損失モデルIAS 第39号の現行モデルは,企業に,将来キャッシュ・フローに負の影響を与え,その影響を信頼性をもって見積もることができる事象(または事象の組合せ)が発生した場合にのみ,金融資産の信用損失を会計処理することを要求している(これは発生損失モデルとして知られている)。このモデルの特徴は,企業に将来の予想損失の影響を考慮することが認められていない点にある。金融危機はこの問題を懸案事項としてハイライトした。・予想損失モデルG20のリーダー他からの要請により,IASB は予想損失モデルを代替モデルとして検討している。予想損失モデルは企業に予想信用損失を継続して評価することを要求しているが,それは信用損失のより早期の認識を要求することになるかもしれない。このモデルの支持者は,このモデルが金融資産の価格を決定する手法,及びある企業にはビジネスを管理する手法をより良く反映するものであると主張している。(デロイトトウシュトーマツのホームページ:https://www.deloitte.com/view/ja_JP/jp/article/375735121de22210VgnVCM200000bb42f00aRCRD.htm(2011/8/22))29 FCAG, op.cit., p. 7.30 Ibid., p. 10.31 Ibid., pp. 12-13.32 Ibid., p. 14.33 Ibid., p. 16.34 Ibid., p. 3.35 FSB, Improving Financial Regulation Report of the Financial Stability Board toG20 Leaders, 25 September, 2009, par.33.36 山田辰己,「IASB 会議報告(第96~97回会議)」,『会計・監査ジャーナル』,Vol.21,No. 10,日本公認会計士協会出版局,2009年10月,78~79頁。37 川西安喜,「金融商品会計に関するFASB の公開草案」,『会計・監査ジャーナル』,Vol. 22,No. 8,日本公認会計士協会出版局,2010年8 月,19頁~20頁において,IASB とFASB の金融商品会計基準に対する考え方が比較して述べられている。38「 David Tweedie 国際会計基準審議会(IASB)議長インタービュー,IFRS の最新動向~ IASB とFASB のMoU をめぐって~」,『会計・監査ジャーナル』,Vol. 22,No. 10,日本公認会計士協会出版局,2010年10月,15頁。39 早期適用が,認められている。また,2011年8 月に公表した公開草案で2015年1 月1 日以降の事業年度より適用する提案がなされている。40 IASB, International Accounting Standard 32, Financial Instruments: Presentation(2010), IN6 and pars.15-16.