高知論叢102号

高知論叢102号 page 49/222

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47 論 説旧優生保護法と刑法学稲  田  朗  子   目 次はじめに1 優生保護法の成立2 優生保護法制定前後の議論状況3 戦後木村学説の検討4 戦後吉益の断種法理論5 優生保護法改正と刑法改正問題6 ....

47 論 説旧優生保護法と刑法学稲  田  朗  子   目 次はじめに1 優生保護法の成立2 優生保護法制定前後の議論状況3 戦後木村学説の検討4 戦後吉益の断種法理論5 優生保護法改正と刑法改正問題6 法律学における優生保護法改正論議7 産婦人科臨床医の優生保護法批判おわりにはじめに現在の「母体保護法」は,1996年の法改正まで「優生保護法」として存在した法律である。刑法学においては,主として堕胎罪との関係において論じられることが多い。しかし,優生保護法改正の契機となった「優生思想」への向き合い方については,いわゆる「優生思想」に基づく条文が削除された現在においても,なお,課題を孕んでいると思われる。優生保護法は,戦前の「国民優生法」にそのルーツをもつ。「国民優生法」制定をめぐる刑法学者等の議論状況については,既に別稿1にて確認したところである。本稿では,優生保護法成立期から,母体保護法への改正以前の理論状況を確認することとしたい。高知論叢(社会科学)第102号 2011年11月1 拙稿「戦前日本における断種法研究序説」森尾亮=森川恭剛=岡田行雄『人間回復の刑事法学』(日本評論社,2010年)185頁以下。