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98 高知論叢 第103号知県の中山間地域の「超限界集落」は,病気に例えればすでに手遅れの状態である。しかし,高知県下の多くの限界集落を訪問し,直接に地域住民と向かい合い,話し合いをし,その結果,そこに地域....

98 高知論叢 第103号知県の中山間地域の「超限界集落」は,病気に例えればすでに手遅れの状態である。しかし,高知県下の多くの限界集落を訪問し,直接に地域住民と向かい合い,話し合いをし,その結果,そこに地域住民が暮らし続けていることに価値を見出した我々としては,集落の再生を願わずにいられない。地域住民のだれもが「この地域が良い」,「このまま暮らし続けたい」という願いを持っている。それならば,その地域住民の願い=ニーズに即した支援のあり方を考えていくしかない。消滅集落にしないためには,何に着目して集落を再生させていけばよいのだろうか。図表Ⅲ-1 集落「限界化」のプロセス(模式図)出典:小田切徳美「農山村における新しいコミュニティ-その実態と政策課題-」(2008.11.14)http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/new_community/pdf/081114_1_si2.pdf人口人口または集落機能集落機能人の空洞化「限界集落」化ムラの空洞化集落機能の消滅無住化臨界点(4)持続可能な地域づくりのための「寄り合い」限界集落(小規模・高齢化集落と呼ぶべきであろうが,本節では研究テーマに従い限界集落と表現しておこう)における持続可能な地域づくり可能にする方法はあるのだろうか。熊谷宏は,中山間地域の農業・村の再生に向けて,当該地域のソーシャル・キャピタルの強化は最重要な要件であると指摘する。そして,「寄り合いシステム」を一つの事例として,それが残っている農村集落は住民の居住満足度が高く,耕作放棄地も少ないなど,地域の結束力や地域の潜在力を引き出すための地域住民の主体的な認識の高さがソーシャル・キャピ