103号

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 103ワークショップで意見をまとめた結果,共助の課題として居住環境を整備するための「しずえ切り」がどの班からも出されることになり,この地域に暮らす住民の共通の....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 103ワークショップで意見をまとめた結果,共助の課題として居住環境を整備するための「しずえ切り」がどの班からも出されることになり,この地域に暮らす住民の共通の課題が明らかになった。また,鹿・猪対策が緊急の課題としてあげられた。公助の課題としては,タクシーの増便,廃校の活用,地デジの整備などがあげられた。(3)「共助」の目標を実現化するためにワークショップで地域の課題や生活課題について語ってもらうと,あふれんばかりに意見が出てくる。それらの解決法・解消法も含めて,まず,「自分たちでできること(自助)」,「『行政と住民』や『社会福祉協議会と住民』など地域外の諸機関と住民が協力して行うこと(共助)」,「主に行政が行うこと(公助)」という三段階に分ける。次に,それぞれの段階で出てきた課題を「すぐにできること(短期目標)」,「少し時間をかけて考えてみること(中期目標)」,「じっくり考えて取り組むこと(長期目標)」に分けてみる。それらを,図表Ⅲ-5にあてはめていくと,ぞれぞれの課題に対する解決法が明確になってくる。しかし,このような分類作業は,ある意味「簡単なこと」であり,ワークショップはどのような地域であっても,その機会さえあればできる。問題はここからである。ワークショップで盛り上がった後,共助の目標を「絵に描いた餅」にしないためには,どうすれば良いのだろうか。一つは,「スピード」である。鉄は熱いうちに打てのことわざ通り,早急に実行のための「寄り合い」を開くことである。それができるかどうかが,共助実践の鍵である。もう一つは,実践の場へ誰かに入ってもらうことである。いつもと同じメンバーでは馴れ合いになってしまうことでも,外部の人に見られていれば実践せざるを得なくなってくる。そのような状況をどのように作っていくかが課題となる。図表Ⅲ-5 課題のレベル分け短期目標中期目標長期目標自  助共  助公  助