103号

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106 高知論叢 第103号の母親が子育ての悩みや不安を話せる相手がいないのか,災害時に誰の所へ駆けつけるべきなのか,ということが明確になるように,住民どうしの関係や絆がしなやかで強固なものであれば,孤独死....

106 高知論叢 第103号の母親が子育ての悩みや不安を話せる相手がいないのか,災害時に誰の所へ駆けつけるべきなのか,ということが明確になるように,住民どうしの関係や絆がしなやかで強固なものであれば,孤独死や虐待,災害被害を減らしたり防止することになるであろう。逆に,「対策」を万全にしたつもりでも,住民どうしの絆が弱ければ,「対策」は効果を発揮しにくくなるであろう。孤独死や虐待を生み出さず,災害被害を少なくする地域の関係づくりという意味では,最も基本的な「対策」は,住民どうしのかけがいのない絆や関係づくりと言えるだろう。2.住民主体の見守り活動の仕組みづくりと支援(1)情報データベースの構築と情報ツールの活用自治体規模によって,情報の収集度が異なる。小規模の自治体ほど,様々な形での情報が早く集まりやすい。逆に言えば,規模の大きい市町村ほど,意識的な情報収集が必要になる。また,行政からの情報提供の有無が,市町村によって異なり,統一されていない。情報提供に関する行政の担当部署を明確にしたうえで,市町村間でルールを統一した運用が望まれる。その際,地域福祉活動や防災活動において基本的な情報提供が不可欠であるという認識のもとに,前向きな方向での統一化が望まれる。行政からの情報提供だけではなく,民生委員や社会福祉協議会が地域の中から独自に収集した情報もあり,情報管理には十分注意しながらも,最新で意味のある正確な情報データベースを構築する必要がある。その際,情報共有の目的(防災や見守り等)と対象(高齢者,障害者,児童等)を明確にする必要がある。要援護者情報の収集と共有化にあたっては,関係機関共有方式,手あげ方式,同意方式があるが,目的に合った方式の選択ないし組合せ利用が考えられる。関係機関共有方式は,タテワリ情報の整理・集約に役立つであろうし,手あげ方式や同意方式は要援護者の意識づけやエンパワメントにも役立ちうる。県内各市町村では,見守りをしてゆくための様々なツールや媒体が活用されている。「見守り台帳」,「福祉・防災マップ」,「連絡票」,「おはよう・お元気コール」(IP告知端末等を利用して安否確認や声かけをおこなうものであり,