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108 高知論叢 第103号(3)個別訪問型見守りと集会型見守り,ネットワーク型見守りの併用見守り活動は,個別訪問や個別の注意・配慮だけではなく,普段の集まり等を通じて,見守り機能を果たすことが可能である。老....

108 高知論叢 第103号(3)個別訪問型見守りと集会型見守り,ネットワーク型見守りの併用見守り活動は,個別訪問や個別の注意・配慮だけではなく,普段の集まり等を通じて,見守り機能を果たすことが可能である。老人クラブや婦人会,町内会の会合・行事,ミニデイ,サロン,宅老所,あったかふれあいセンターなどの人の集まる所を拠点として,見守り活動がおこなえる。出かけてゆく「個別訪問型見守り(アウトリーチ型見守り)」に対して,「集会型見守り(サロン型見守り)」と言うこともできるだろう。「集会型見守り」においては,各集会や行事への参加状況やそこでの情報交換から見守り機能を果たすことができる。ふだん顔を出す人が出さなくなった時に様子を見に行ったり,その集会や行事に元々参加していない地域の住民についても,参加者の情報から,社協,行政,保健師,その他の専門機関につなぐことができる。参加者や地域の人々のことをお互いが思いやれる関係をベースにして,サロン等を情報収集・発信の拠点の一部として機能させることができる。同時に,参加したくなる活動や拠点を地域の中に様々な形で創り出してゆくことが,孤立化を防ぐことになる。とくに,多くの居場所づくりにおいて男性の参加が少ないことが課題視されているが,囲碁や男性の料理教室など,男性が参加したくなる活動内容の工夫をすることが考えられる。また,男性参加者からの誘いかけによって男性参加者が増える場合も見られるので,何をするか,という視点にくわえて,誰とするか,という視点も重要になる。居場所づくりの内容や誘い方を工夫しても,サロン等の集団的な場所に行くことをどうしても敬遠する住民もいるので,その場合には,個人の内面の自由を尊重して,無理に誘うよりも,「個別訪問型見守り」に切り替えて,その家庭や近隣でサロンをやってみるのもよい(いわゆる縁側サロン)。さらに,個別訪問の対象にもならず,サロン等にも出かけてこないが,地域のなかで「気になる人」の存在がある。たとえば,認知症や精神障害等のある人やホームレスで,周囲との関係がうまくゆかないが,生活上の不安がうかがえる人の場合は,さりげないネットワークによって見守る必要がある。たとえば,「地域支え合いマップ」を作り,気になる人を誰が見守っているか,その