103号

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 109人は誰を見込んでいるか,その人はどういう福祉資源と結びついているか,等をマップの中で位置づけ,地域の中で共有化してゆくことも考えられる27。(4)見守りか....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 109人は誰を見込んでいるか,その人はどういう福祉資源と結びついているか,等をマップの中で位置づけ,地域の中で共有化してゆくことも考えられる27。(4)見守りから人のつながり,地域づくりへの展開見守り活動は,緊急事態の救命機能やその予防ということだけに意義があるのではなく,住民どうしの心の交流と絆を深めることにより,地域のなかで住民が孤立化,孤独化すること自体を防ぐことにもなる。何気ない声かけやあいさつから,心配事や悩み事に話が広がったり,異変に気づくことがある。そこから,お互いの心の交流や絆が深まってゆき,「この人と一緒に暮らせて良かった」と思える関係性が生まれてゆく。それが,各小地域ごとの住民の全体的な取り組みに展開する時,小地域ネットワーク会議の開催を通じた個別状況の確認と対応,福祉・防災的な安心マップの作成などにつながってゆく。そして,個々の悩みや不安,課題を解決してゆくために,視野を広げて,安心して暮らしやすい地域づくりや支えあう関係づくりに眼が向けられる時,地域福祉活動計画・地域福祉計画への取り組み・実践や,個別のテーマに即した地域づくりの企画・実行などに展開する可能性がある。一人ひとりを見守り,寄り添う活動を積み重ねるなかで,地域の課題が見えてくる。そこから,さらなる共同・協働の関係が生まれてくる。(5)要援護者個人と地域環境の双方向の関係づくり周囲の住民組織・団体・事業者等がいくら積極的に見守り活動を展開しようとしても,見守られる個人が協力的ではなかったり,閉じこもってしまうことにより,見守り活動が難しくなることもある。あるいは,地域住民との関係が良くないことにより,見守り対象から事実上,外れてしまうこともある。そのように,高齢者や障害者の「孤立化」には,二つの側面がある。一つは,周囲が気にかけ,訪問したり,集まりに誘い出そうとするが,本人が消極的,拒否的になるタイプである。場合によっては,支援が必要であるにもかかわらず外部との関係を絶つことによって,自発的に死を選ぶという場合もある。もう一つは,認知症や精神的な障害に伴う,いわゆる問題行動によって周囲との関係