103号

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112 高知論叢 第103号家族的な関係性が地域の中に復活・再生することを意味する28。地域によって,それらの機能の組合せは異なるであろう。それぞれの地域で,そもそも地域のどのような課題を解決し,良さを生かす....

112 高知論叢 第103号家族的な関係性が地域の中に復活・再生することを意味する28。地域によって,それらの機能の組合せは異なるであろう。それぞれの地域で,そもそも地域のどのような課題を解決し,良さを生かす目的でこの居場所づくりを始めたのか,何をしたかったのか・しなければならなかったのか,それぞれのサロン等は何をめざすのか,とふり返りながら,自分たちでできること,しなければならないことを実行し,点検してゆく力をつけてゆくことが,まさに住民主体の居場所づくりになるであろう。その場合,社協が担うこと,保健師が担うこと,地域包括支援センターが担うこと,ボランティアが担うこと,利用者自身が担うことを再整理する必要があるかもしれない。たとえば,男性の参加が少ないので,男性の利用者自身が参加していない同性に声をかけたり,女性の利用者が自分の自慢料理を教えたり自分の畑でとれた食材を提供することは,利用者自身にもできるかもしれない。介護予防効果や体力・健康づくりの効果は保健師や地域包括支援センターが担えるだろう。送迎手段については,行政や学校(たとえばスクールバスを借りる)との協議が必要かもしれない。出てこない人の様子を見に行ったり,そこで「縁側サロン」をおこなうことは,ボランティアやその協力者でできることかもしれない。そして,様々な人々の力や得意なことを発揮してもらい,人と人をつなぐコーディネーター役は社協職員に期待されることだろう。利用者やボランティア,あったかふれあいセンター職員等が自分たちの地域のサロンをふり返り活性化してゆくことと,専門機関(社協や保健師,地域包括支援センター等)が各サロン等を包括的にみて市町村全体の状況を評価することが二次元に重なり合いながら,居場所づくりだけでは解決し得ない地域の生活課題にも視野を広げる時,居場所づくりを含む地域づくりが展望されてくる。4.住民主体の地域づくり見守り活動が個々の要援護者等に対する「点」のような活動であり,居場所づくりが,地域の拠点に集まりながら,住民どうしの交流や,介護予防・健康づくり,孤立化防止など,「円」のようなサークル型の取り組みとすれば,地域福祉(活動)計画づくりとその実践は,地域の生活課題全般に視野を広げる