103号

103号 page 126/154

電子ブックを開く

このページは 103号 の電子ブックに掲載されている126ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
120 高知論叢 第103号1 本研究は,平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(C))課題番号20530526,研究課題名「限界集落における高齢者の孤立問題と行政・地域社会の支援機能に関する実証分析」による研究成果の....

120 高知論叢 第103号1 本研究は,平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(C))課題番号20530526,研究課題名「限界集落における高齢者の孤立問題と行政・地域社会の支援機能に関する実証分析」による研究成果の一部であり,田中きよむ(研究代表者,高知県立大学社会福祉学部教授),玉里恵美子(高知大学総合教育センター准教授),霜田博史(高知大学人文学部准教授),水谷利亮(下関市立大学経済学部教授)の共同研究である。本稿の執筆分担は,田中きよむ(はじめに,第6章Ⅳ,おわりに),玉里恵美子(第6章Ⅲ),霜田博史(第6章Ⅱ),水谷利亮(第6章Ⅰ)である。2 「限界自治体」という概念については,大野晃(2005)『山村環境社会学序説』農文協,11ページを参照。大野氏によれば,限界自治体とは65歳以上の高齢者が自治体総人口の半数を超え,税収入の減少と老人福祉・高齢者医療関連の支出増という状況の中で財政維持が困難な状態に置かれている自治体を指している。3 過疎対策事業の概要については,霜田博史(2010)「高知県における過疎対策の現状と今後の課題」『高知論叢』第97号,2010年3 月,を参照。4 地方財政法第5条に定められた経費とは,①公営企業に要する経費,②出資金および貸付金,③地方債の借換えに要する経費,④災害関係,⑤公共施設,公用施設の建設事業費等,の5 つである。5 小泉和重(2008)「農山村と公共投資」(青木宗明編著『苦悩する農山村の財政学』公人社),69ページ。6 例えば,多田憲一郎(1994)「過疎地域市町村の行財政構造と地域政策」『経済論叢別冊調査と研究』第7 号,1994年10月,田代洋一(1999)「中山間地域政策の検証と課題」(田畑保編『中山間の定住条件と地域政策』日本経済評論社),など。7 椎川忍・小西砂千夫(2010)「対談 地域主権改革時代の地域力創造」『地方財務』2010年5 月号,11ページ。8 高知県内において過疎地域に指定されているのは,2011年9 月26日現在で,全34市町村のうち,28市町村にのぼる。なお,高知県の過疎地域の現状については,霜田,前掲論文を参照。9 本科研費調査において行った,香美市物部地区における調査でも,保健師があまり来てくれなくなったといった,行政サービスの低下を懸念する声が多く聞かれた。また,過疎地域の集落では,民生委員の担い手が減っていることも,住民生活を支えるための課題を明確化することの妨げになっている。例えば,2010年12月1 日時点で,高知県内9 市町で計78人の欠員が生じている(『高知新聞』2010年12月4 日付)。10 「人の支援」については,高知県が2003年から行っている取り組みとして,独自に県職員を地域に派遣し,総合出先機能を持たせる「地域支援企画員」制度も重要なものであると思われる。しかし,本稿では紙幅の関係上検討することができないので,同制度の意義についての分析は今後の課題としたい。11 内閣府「新しい公共」円卓会議ホームページ(http://www5.cao.go.jp/entaku/index.html)より。