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雇用のミスマッチについての一考察1251 求職者の情報ニーズ求職者は情報件数の少なさ(量の問題)と,1件の情報から得られる内容の不十分さ(質の問題)を感じている。まず,求職者が現在,「就職に至っていない理....

雇用のミスマッチについての一考察1251 求職者の情報ニーズ求職者は情報件数の少なさ(量の問題)と,1件の情報から得られる内容の不十分さ(質の問題)を感じている。まず,求職者が現在,「就職に至っていない理由」(複数回答)について回答している内容をみると,「希望する職種での求人がなかった」が41.2%で最も多く,続いて「働く場(求人)が少ない」が40.0%である2。次に,「就職のために,公的および社会的に支援してほしいと思うこと」(複数回答)をみると,「もっと情報が欲しい」が48.9%と半数近くを占め,「もっと個別に相談にのって欲しい」は12.5%となっている3。これらから,求職者に求人情報に対するニーズと現状への不満があることがわかる。それらは,労働需要そのもの少なさ,または求人情報の少なさ,あるいは需給間での職種のミスマッチが原因と考えられる。そこで,労働力需給双方の情報の受発信について見てみると,ハローワーク利用者求職者は,無論ハローワークへの依存度が96.4%と高く,ほかの情報媒体の利用は低い4。いっぽう企業の求人活動はハローワークの利用度は79.5%と高いものの,「縁故・知人等の紹介」も36.2%と高い5。求職者が,公開された情報に依存して職探しをすると,その分の情報欠乏感は高まる。本調査上で企業が「求人活動で,ハローワークを利用しにくい理由」としてあげているのは,主に,①求人情報の記載ルールの問題(性別・年齢の記載ができない,記載内容が限定されているので求人ニーズを明確に書けない),②求人情報の提出方法の利便性の問題(書類作成が煩雑,ネット上で処理できないなど),③求人条件に該当する人材探しの困難さ(採用につながる人がいない)の3 つである6。とくに,③については,のちに述べるように,求人・求職双方の情報受発信の問題に起因する部分もあると考えられる。また,求職者の情報ニーズについて,主にあげられているのは,①求人情報2 高知県地域共同就職支援センター,前掲報告書,82頁。3 同,95頁。4 同,78頁。5 同,49頁。6 同,127頁。