103号

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20 高知論叢 第103号⑫ 明治22年以降(天皇37歳以後:開戦など重大事項時のみ御前会議を開催,枢密院,   大本営に出御)(3)職制表からみる官僚制の画期職制表は官制の変化を表すだけではなく,官僚の位置づけ....

20 高知論叢 第103号⑫ 明治22年以降(天皇37歳以後:開戦など重大事項時のみ御前会議を開催,枢密院,   大本営に出御)(3)職制表からみる官僚制の画期職制表は官制の変化を表すだけではなく,官僚の位置づけの変遷も端的に表現する。職制表からみる官僚制の画期は,1.旧藩士出身の高官,徴士が旧公卿,旧藩士出身の守旧派,復古派から太政官の実権を奪う,明治2年~4年までの時期が一つの画期である。守旧派の勢力は後述するように,その後天皇側近となって明治10年代に復活する。2.第二の画期は,陸海軍武官の職制が太政官官制から独立する明治5年から6年が第二の画期である。陸海軍の武官は太政官官制の中で独立する。即ち軍事内局となるが,陸海軍文官は武官を統御する事務局を担う。従って専門職であり,初期の鎮台を含む,武官の現場を熟知することが緊要である。陸海軍文官(内局)と武官は人事交流があったが,太政官の他省と陸海軍文官の人事交流がないことは当然であった。問題は太政官が陸海軍文官を統御できず,陸軍が独立する事であり,後述するように井上毅はそのことを最も危惧した。明治元年三職制制定後,2月20日,8局職員職制表が示された。同表では,参与が総裁局,神祇事務局,内国事務局,外国事務局,軍防事務局,会計事務局,刑法事務局,制度事務局を分任した。明治元年4月21日の官制表は局が官となり,太政官七官には1等官から9等官までの階級ができた。旧公卿,藩主,徴士の身分差が階級によって編成替えされた事が,新政府において官僚派が台頭する契機となった。実務能力を有した徴士と貢士は旧権力から太政官の実権を掌握するに至った。明治元年12月,政体書体制によって,地方体制が府,県,藩に区分された。大元帥天皇枢密院(憲法)(親臨)国務大臣統治権総攬統帥権