103号

103号 page 29/154

電子ブックを開く

このページは 103号 の電子ブックに掲載されている29ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
明治太政官制成立過程に関する研究 2 23則政令二途出るの患無らしむ。太政官の権力を分つて立法,行法,司法の三権とす,則偏重の患無らしむるなり。一,官に在る人,私に自家に於て他人と政事を議する勿れ。若し抱....

明治太政官制成立過程に関する研究 2 23則政令二途出るの患無らしむ。太政官の権力を分つて立法,行法,司法の三権とす,則偏重の患無らしむるなり。一,官に在る人,私に自家に於て他人と政事を議する勿れ。若し抱議面謁を乞ふ者あらば,之を官中に出し公論を経べし。(中略)一, 諸官四年を以て交代す公撰入札の法を用うへし。但し今後初度交代の時,其の一部の半を残し二年を延して交代す。断続宜しきを得せしむるなり。若し其の人衆望の所属あって去り難き,猶数年を延さざるを得ず。一, 官職,太政官分ちて七官と為す(議政官,行政官,神祗官,会計官,軍務官,外国官,刑法官) 地方官分ちて三官と為す(府,藩,県),とある。明治2年正月,政府の体裁に関する建言書を提出したのは大久保利通であった43。1869年(明治2)5月13日 天皇の詔が出され,官吏の選挙が実施された。三等官以上の官吏による公撰であり,職種別人数は輔相1名,議定4名,参与6名,神祇,民部,会計,軍務,外国,刑法の六官知事・副知事と内廷職知事である。輔相,議定,各官および内廷職知事の被選人は公卿,諸侯に限られた。5月15日選挙が実施され,輔相に三條実美が,議定には岩倉具視・鍋島直大・徳大寺実則の3名が選出された。この時の選挙の模様を『岩倉公実記』には次のように記されている。「国是一定万機施設ノ方法勅問ノ事 四月二十日小御所二等官以上ヲ召シ 親臨汝百官群ヲ朝会シ大ニ施設スルノ方ヲ諮詢ス」44 大村益次郎は選挙が慣例となれば,43 岩倉具視公ヨリノ諮問ニ答申「政府の政府タル実行挙リ候ヘハ人材撰挙ノ法立スンハアルヘカラス其法立候ヘハ妄ニ人ヲ用ヒ進退須臾臾ニ変スルノ憂ナキ所以ナリ」『大久保利通文書三』10頁44 『岩倉公実記中』719頁 明治2年4月『明治天皇紀』には次のように記されている。明治2年4月22日宮公卿四位以上の諸侯に勅問し三條実美が詔書を奉読同23日大広間に四等官五等官を召し 24日諸侯 25日府県知事同26日下太夫 27日上士 六等官以下は知官事より詔書奉読明治2年5月 三職公選投票ノ事 五月十三日上朝堂ニ出御アラセラレ三職公選投票ヲ行シメ給フ詔書ニ曰ク 朕惟フニ治乱安危ノ本ハ任用其人ヲ得ト不得トニアリ故ニ今敬テ列祖ノ霊ニ告テ公選ノ法ヲ設ケ更ニ輔相議定参与ヲ登庸ス神霊降る鑑過ナカランコトヲ期ス汝衆ソレ斯意ヲ奉セヨ 上局 議長 副議長 議員 行政官 輔相一人 議定四人 参与六人 弁事 右四職公卿諸侯ノ中ヨリ撰挙スヘシ 輔相 議定 六官知事 内廷職知事 但三等官以上総会同入札ノ法ヲ用ユ 参与 副知事 右二職貴賤ニ拘ハラス撰挙スヘシ 但同断