103号

103号 page 56/154

電子ブックを開く

このページは 103号 の電子ブックに掲載されている56ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
50 高知論叢 第103号撃という主権侵害に対して日本は無策であった。これを民権派が強く批判した。明治15年8月16日「13日能久親王亦書を両大臣(三條,岩倉具視)に致して曰く,朝議若し開戦に決せば,予をして直に....

50 高知論叢 第103号撃という主権侵害に対して日本は無策であった。これを民権派が強く批判した。明治15年8月16日「13日能久親王亦書を両大臣(三條,岩倉具視)に致して曰く,朝議若し開戦に決せば,予をして直に朝鮮に赴かしめ,万死を以て…清国との交戦の避くべからざるを述べ,戦備を整ふるの急務たるを説き,陸海軍両省に内命あらんことを請ふ…19日参議山縣有朋は書を実美に呈し,日清両国の現在及び将来を説き,清国と戦ふは今日を以て好機と為すことを論ず…唯陛下の之れを採択せらるゝをこう冀ふのみと」89 戦闘行動の発動に対して軍令は文官によって,この時期においては制御された。文官と武官の軍制をめぐる対立は憲法制定時に表れた。図5は陸軍が提出した軍の指揮命令系統である。軍が提出した軍政意見について,井上は軍機構図の中に「軍隊編成ハ独乙ニテハ法律ニ拠リ 墺国ニテハ軍令ノ一部トス 若シ墺国ニ拠レハ軍衙官制ハ別チテ軍政ノ一部トスヘシ」90 と注記したが,井上の見解は単に意見表明するにとどまった。陸軍案では軍令は統帥事項であり,陸海軍大臣の副署も不要である。軍の89 『明治天皇紀第五巻』767頁90 井上毅「陸軍提出案ニ付意見」明治21年4月『井上毅伝史料篇第1』20頁図5 陸軍が文官に提出した軍機構図軍法及軍事ニ係ル勅令ノ執行○軍政内閣經費 豫算 決算演  習國  防軍衙官制参謀本部軍事内局戰  規軍隊編成○軍制軍  機○軍令天皇要塞環區法徴發法戒嚴法軍人刑法 治罪法兵  役○軍法内閣議會徴  兵檢  ?軍需 輜重軍人司法服務規律馬  政敬  禮軍事内局内  閣軍事内局監軍本部軍事内局参謀本部恩  給人  事内 閣前掲井上毅「陸軍提出案ニ付意見」より