103号

103号 page 80/154

電子ブックを開く

このページは 103号 の電子ブックに掲載されている80ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
74 高知論叢 第103号(2)小規模集落対策の内容2010(平成22)年度現在における大分県の小規模集落対策に資する事業の施策体系としては,活性化,生活環境,安全・安心の3つの系ごとに複数の事業がとりあえず考え....

74 高知論叢 第103号(2)小規模集落対策の内容2010(平成22)年度現在における大分県の小規模集落対策に資する事業の施策体系としては,活性化,生活環境,安全・安心の3つの系ごとに複数の事業がとりあえず考えられている(図表Ⅰ-1参照)。ただ,主なものは,人の支援(「くらしにぬくもり小規模集落応援事業」である「小規模集落応援隊」)とお金の支援(地域活性化総合補助金)であると思われる。この2つと具体的な地域における取り組みについて簡単にみておこう。① 「小規模集落応援隊」事業小規模集落は,「人が耕作し住み続けることで,自然景観の保全や水源確保の効果」があり,下流域や都市部に住む住民の生活と密接な関係にあるが,「高齢化と過疎化による人手不足で,道路の補修や草刈り,公民館や集会所の掃除,お祭りなど集落の共同作業が困難になりつつある」。そこで,2009(平成21)年度から,「近隣の都市部や川の下流域の企業やNPO,ボランティア団体など様々な活動団体に,応援隊への登録,応援活動の実施を呼びかけて小規模集落を支援しようというもの」が「小規模集落応援隊」事業である。とくに企業等の社会貢献活動としてメーカーや建設業などの多くの企業が登録し,実際に応援を行っている。また,大分県の公共事業の入札で総合評価の制度が導入されているものに関しては,「小規模集落応援隊」事業を実施したことがカウントされるようになっているということである。現在では,270ぐらいのグループ・団体が登録しているようだ。具体的な事業の流れとしては,集落からの相談はまず市町村にくる。小規模集落応援隊事業は県が勝手にやっているのではなく,市町村がしっかりと集落とかかわって支援・応援することが求められるからである。そして,応援を希望する集落の場所,時期,内容などのニーズに合わせて,市町村または県から,市町村エリアを決めて登録している団体に直接電話やメールで依頼を行い,応援の可否を聞き,応援可能な場合は,後日に詳細な打ち合わせを行うようにしている。具体的な作業内容は,高齢化や過疎化により人手が不足して作業が難しくなっている集落の共同作業で,集落の作業である里道などの補修や草刈り,集