103号

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 77プロジェクトを通して集落の住民の間でヤギに関する共通の話題ができ,その結果,交流機会が増加していることも効果としてあげられる。糞を新鮮野菜づくりの堆肥と....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(完) 77プロジェクトを通して集落の住民の間でヤギに関する共通の話題ができ,その結果,交流機会が増加していることも効果としてあげられる。糞を新鮮野菜づくりの堆肥として利用してその野菜販売したり,ヤギ乳を活用した特産品開発や,集落にある温泉利用客の「足止め」効果を発揮して,地域経済にも少し貢献しているようだ。そして,ヤギがいることで鹿やイノシシなどの鳥獣があまり近寄らないので鳥獣被害の防止になっている面もあるということである。2.京都府の「里力再生アクションプラン」次に,京都府における「限界集落」・小規模集落対策のあり方として「共に育む『命の里』事業」を簡単にみてみよう。以下の内容では,中村治「京都府における『里力再生』の取組と今後について」(全国農村振興技術連盟『農村振興』,2010年7月号・727号)や京都府庁におけるヒアリング調査(2010年8月13日・京都府農林水産部農村振興課,8月18日・京都府丹後広域振興局農林商工部)の内容などを参考にしている。(1)「共に育む『命の里』事業」の概要京都府では,農山村地域は,安全な食料の生産だけでなく,おいしい水や空気の供給,美しい景観や伝統文化の保全,森林や田畑による自然災害の防止など,府民の生活を支える「命の里」であると考えている。その「命の里」を守り育んでいくために,後継者不足や農林地の荒廃など地域が抱える課題を集中的かつ総合的に解決することをめざして「共に育む『命の里』事業」を進めている(図表Ⅰ-3参照)。京都府では,2007年度に,65歳以上の人口が50%を超える高齢化が進んでいる農村集落等を基本に抽出して農村集落実態調査を行い,その分析に基づいて2008年度に『里力(さとぢから)再生アクションプラン』(平成20年度プラン)を作成した。現在,2009年度に改訂版として作成した『里力再生アクションプラン(21年度改定版)』(平成21年12月,農林水産部農村振興課)に基づいて事業を実施している。「共に育む『命の里』事業」は,「里力再生事業」,「ふるさと共援活動支援事