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90 高知論叢 第103号推進に向けての研究会」が設置されていた。同研究会には,高知県から大豊町と高知県地域づくり支援課がヒアリング対象となっており,全国的に見れば,高知県は過疎対策に関しては先進的な取組み....

90 高知論叢 第103号推進に向けての研究会」が設置されていた。同研究会には,高知県から大豊町と高知県地域づくり支援課がヒアリング対象となっており,全国的に見れば,高知県は過疎対策に関しては先進的な取組みがされている地域としてみることができる。高知県は,過疎法の延長に対応して,平成22年8月,「高知県過疎地域自立促進方針」を策定した。同方針は,平成22年度から平成27年度まで6年間の計画を示し,県内市町村が策定する市町村過疎計画の内容を規定するものである。「高知県過疎地域自立促進方針」を策定した高知県地域づくり支援課におけるヒアリング調査(2011年2月3日)によると,高知県の方針の特徴は,事実上の高知県の総合計画になっているということである。2つ理由があるが,一つは,自立促進方針の中に現在高知県が進めている3大施策である「産業振興計画」,「日本一の健康長寿県構想」,「教育振興基本計画」を入れ込んでいることである。もう一つは,高知県内において過疎地域に指定されている市町村が8割を超えている状況においては,過疎対策が事実上県内全てを包括するようなものになってしまっているからである8。高知県は,平成20年に「産業振興計画」を策定し,産業振興を県の政策の一つの柱として取り組んでいる。過疎対策という観点から見ると,産業振興によって雇用を創出し,被雇用者の定住を進めることで,地域振興にもつなげていくという意図をもっている。そうした傾向は,市町村過疎計画の取りまとめ状況においても現れている。地域づくり支援課提供の資料によると,高知県内の市町村過疎計画において予定されている過疎対策事業は,平成22年度から6年間の事業費総額が約2281億円,うち平成22年度の事業費が約377億円ということになっている。前回の市町村計画(平成17年度~平成21年度の5年計画)の実績が約1054億円であるから,事業費全体として大きく増加している。新しい取り組みであるソフト事業(過疎地域自立促進特別事業)の事業額は,6年間の事業費総額が約192億円,うち平成22年度事業費は約30億円となっている。ソフト事業を行なうための財源のうち,過疎債が充当されるのが6年間で約137億円,うち平成22年度分は約20億円ということである(表Ⅱ-1参照)。