104号

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42 高知論叢 第104号行された『昭和天皇発言記録集成』がある。同書は,参謀本部「御下問綴」「御下問奉問書綴」海軍省「公文備録」「霞ヶ関史料」「海軍関係特殊記録綴」をはじめ,数多くの史料,高官・側近の日記....

42 高知論叢 第104号行された『昭和天皇発言記録集成』がある。同書は,参謀本部「御下問綴」「御下問奉問書綴」海軍省「公文備録」「霞ヶ関史料」「海軍関係特殊記録綴」をはじめ,数多くの史料,高官・側近の日記等を参考にして編纂された。同書は,編年時別時系列的に昭和初期から戦中戦後までの天皇の発言事跡記録が網羅されており,今日において昭和天皇の事跡をたどる上で便利な書物であるが,以下の不十分な点がある。第1に,敗戦前後における記録抹消によって,昭和天皇の記録,史料類が消却されている事が多いこと。第2に,宮内庁文書,侍従日誌による記録が収録されておらず,年次別に天皇の事跡,発言記録の濃淡があること。第3に,その結果として,記録漏れも少なくないこと。第4に,収集資料が戦史に偏っており,その結果として戦史に関連した事跡が多いこと。以上の制約があるが,昭和前半期における,昭和天皇の事跡の概要を知りうる史料として重要な情報をわれわれに提供している。表6は年次別の高官氏名であり,表7,図6は前掲『昭和天皇発言記録集成』67表6 昭和初期の高官氏名と任期陸軍大臣海軍大臣侍従武官長参謀総長軍令部(総)長内大臣首相昭和2年宇垣一成/白川義則岡田啓介奈良武次鈴木荘六鈴木貫太郎牧野伸顕若槻禮次郎昭和3年田中義一昭和4年宇垣一成財部彪加藤寛治濱口雄幸昭和5年安保清種金谷範三谷口尚真斎藤実昭和6年南次郎大角岑生閑院宮載仁一木喜徳郎犬養毅昭和7年荒木貞夫岡田啓介伏見宮博恭湯浅倉平齋藤實昭和8年大角岑生本庄繁昭和9年林銑十郎岡田啓介昭和10年川島義之昭和11年寺内寿一永野修身宇佐美興屋廣田弘毅昭和12年中村孝太郎/杉山元米内光政近衞文麿昭和13年板垣征四郎昭和14年畑俊六吉田善吾畑俊六/蓮沼蕃平沼騏一郞/阿部信行昭和15年及川古志郎蓮沼蕃杉山元木戸幸一米内光政/近衞文麿昭和16年東条英機嶋田繁太郎東条英機/梅津美治郎永野修身東條英機昭和17年昭和18年昭和19年杉山元野村直邦/米内光政米内光政嶋田繁太郎/及川古志郎及川古志郎小磯國昭昭和20年阿南惟幾豊田副武鈴木貫太郞/東久邇宮