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64 高知論叢 第104号について,詳しく見ていくこととする5。第1節 農水シナリオ6農林水産省は例外なしの協定であるTPP に参加することで,農産物に対する5 この他に農林水産省と経済産業省の2つのシナリオを元に....

64 高知論叢 第104号について,詳しく見ていくこととする5。第1節 農水シナリオ6農林水産省は例外なしの協定であるTPP に参加することで,農産物に対する5 この他に農林水産省と経済産業省の2つのシナリオを元に,内閣官房を中心として調整を行ったシナリオを作成し,内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官川崎研一氏がGTAP モデルを使い,TPP や各国EPA,FTAAP などを行った場合のGDP 増加について試算を行っている。この場合,当然FTAAP を行った場合が6.7兆円のGPD 増加効果と最も強く発現し, 次に日中EPA により3.3兆円のGDP 増加,TPP により2.4~3.2兆円のGDP 増加と続いている。内閣官房のシナリオの特徴は,他の試算とは異なりGTAPモデルを利用し,GDP の伸び率を総合的な評価を行っている点である。しかし,GTAPモデルのようなCGE モデルを地域レベルで適応することにはいくつかの課題があり,また各種パラメーターの設定に必要なデータの蓄積も乏しいため,今回我々の研究では対象外とした。6 内閣官房「資料2:EPAに関する各種影響試算」,同「資料3:農林水産省試算(補足資料)」を参考にした。国家戦略室http://www.npu.go.jp/policy/policy08/index.html 2012/06/06取得図1 農林水産省と経済産業省のTPP 試算の比較農業への影響試算(試算:農林水産省)前提条件主要農産品19品目(林野・水産を含まない)について全世界を対象に直ちに完全撤廃を行い,何らの対策も講じない試算結果生産減:毎年4兆1000億円多面的機能の喪失:3兆7000億円GDPの減少額:7兆9000億円就業機会の減少:340万人基幹産業への影響試算(試算:経済産業省)前提条件日本はTPP及び対EU,対中のEPAを締結せず,韓国はアメリカ・EU・中国とのFTA を締結した場合, 自動車,電気電子,機械産業の3業種で,2020年にアメリカ・EU・中国において市場シェアを失うことによる関連産業を含めた影響試算結果輸出減:8兆6000億円波及効果:20兆7000億円GDPの減少額:10兆5000億円就業機会の減少:81.2万人出所:内閣官房「包括的経済連携に関する検討状況」(資料2:EPA に関する各種試算)http://www.npu.go.jp/policy/policy08/index.html 2012/06/06取得