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TPP参加が高知県経済に与える影響評価65生産減少などの影響が発生するというシナリオに基づき数量分析を行っている。農水シナリオでは,まず生産が減少する対象となる品目の選定を行っている。具体的には関税率が10....

TPP参加が高知県経済に与える影響評価65生産減少などの影響が発生するというシナリオに基づき数量分析を行っている。農水シナリオでは,まず生産が減少する対象となる品目の選定を行っている。具体的には関税率が10%以上で国内生産額が10億円以上の品目である。次に内外価格差,品質格差の観点から輸入品と競合する国産品,競合しない国産品の2つに分けている。競合する国産品は輸入品に置き換わると推測し,価格に生産量を乗じることで生産減少額を試算している。競合しない国産品は輸入品の流通に伴う価格減少があると推測し,価格低下分に生産量を乗じることで生産減少額を求めている。なお競合する・しないについては品目をさらに細かく分割し,設定を行っている。米を例にすると,新潟産コシヒカリや有機米など高品質・高付加価値品については競合しない国産品として取り扱っている。一方これら以外の米については外国産に置き換わる競合する国産品として取り扱っている。これらの試算の結果,米の生産減少額は1兆9700億円であるとしている。他の品目についても同様に個別の生産減少額が提示されており,本論で取り扱う牛肉は生産減少額4500億円とされている。試算の結果,TPP による生産減少額の総額は4兆1000億円であり,その他,多面的機能の喪失額として3兆7000億円が提示されている。また産業連関表を利用したGDP の減少額は7兆9000億円,就業機会の減少が340万人に影響を及ぼすとしている。第2節 経産シナリオ7経済産業省はTPP に不参加の場合,韓国がアメリカ・中国・EU とFTA を締結し,日本の製品は自動車,電気電子,機械産業で大幅にシェアを失い,輸出減少などの影響が発生するというシナリオに基づき試算を行っている。経産シナリオでは,韓国製品に対する日本製品の国際競争力について,自動車,電気電子,機械産業の3分類で,品目ごとに競争力を優位,同等,劣位の3分類で評価している。なお競争力評価は産業界へのヒアリング調査に基づいており,センシティブな部分が含まれているため,評価自体は非公表とされて7 内閣官房「資料2:EPA に関する各種影響試算」,同「資料4: 経済産業省試算(補足資料)」を参考にした。国家戦略室http://www.npu.go.jp/policy/policy08/index.html 2012/06/06取得