104号

104号 page 69/94

電子ブックを開く

このページは 104号 の電子ブックに掲載されている69ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
TPP参加が高知県経済に与える影響評価67な地域表では輸出・輸入に国内の他地域との取引を表現した移出・移入を加えた,移輸出・移輸入の項目が存在する。産業連関表を利用してTPP 参加による高知県への影響を評価す....

TPP参加が高知県経済に与える影響評価67な地域表では輸出・輸入に国内の他地域との取引を表現した移出・移入を加えた,移輸出・移輸入の項目が存在する。産業連関表を利用してTPP 参加による高知県への影響を評価するために,まず産業連関表の加工を行い,次にシナリオの設定を行う。最後にTPP 参加による米及び肉用牛の生産額の減少を反映させた農業分野におけるシナリオとTPP 不参加による製造業分野におけるシナリオ,そしてそれらの影響をまとめた総合効果について検討を行う。第1節 産業連関表の加工農水シナリオおよび経産シナリオに基づいて高知県における影響評価を行うために,いくつかの部門について部門の統合,分割が必要となる。まず,農水シナリオに対応するため部門の分割を行う。分割を行う部門は耕種農業部門と畜産部門であり,それぞれ米部門とその他の耕種農業部門,肉用牛部門とその他の畜産部門へと分割を行う。次に,経産シナリオに対応するため部門の統合を行う。統合を行う部門は一般産業機械部門からその他の輸送機械・同修理部門であり,対応する部門に応じて,一般機械部門,電気機械部門,情報・通信機器部門,電子部品部門,輸送機械部門へと統合を行う。これらの統合,分割の結果,分析を行う産業連関表の部門数は98部門となる(表1)。以下,詳しく説明する。高知県の平成17年産業連関表の公表部門数は16部門,40部門,108部門であり,部門数が多くなるにつれ,より細かな産業分類(アクティビティ)に対応しているが,今回,農水シナリオにおいて評価の対象としている米部門及び肉用牛部門は,108部門表でも耕種農業部門及び畜産部門へ統合されているため,そのままでは評価が行えない。そのため108部門表から米部門及び肉用牛部門を分割する作業を行う。分割の方法は,平成17年生産農業所得統計より米部門とその他の耕種農業部門の農業産出額の比率を使って,高知県表の耕種農業部門の県内生産額(C.T.)の按分を行った。同様に肉用牛部門とその他の畜産部門についても農業産出額の比率を使って,県内生産額の按分を行った(表2)。県内生産額の推計を行った後は,全国表の米部門の投入構造を元に,米部門の中間投入額及び粗付加価値額を推計し,これを耕種農業部門の対応する中間