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TPP参加が高知県経済に与える影響評価73第3節 産業連関分析の結果12表3は,産業連関分析による農業分野における生産誘発効果をまとめたものである。農業分野に対する波及効果合計は約185億円である。直接効果が約....

TPP参加が高知県経済に与える影響評価73第3節 産業連関分析の結果12表3は,産業連関分析による農業分野における生産誘発効果をまとめたものである。農業分野に対する波及効果合計は約185億円である。直接効果が約140億円であり,間接効果は約45億円,波及倍率は1.32倍であった。最も効果が大きい産業は米部門であり,約130億円のマイナスであった。以下,農業サービス部門が約14億円,肉用牛部門が約12億円,商業部門が約6億円,自家輸送部門と対事業所サービス部門が約5億円と続く。米部門は直接効果が大きいため減少幅も大きいが,米部門や肉用牛部門と関わりの深い農業サービス部門や商業部門,対事業所サービス部門などが大きなマイナスの影響を受けるなど,米や肉用牛の生産減少が周辺産業へと波及していく様子が見て取れる。またサービス業に対しては幅広く影響を及ぼしている一方で,製造業に対してはほとんど影響が無く,深い関連性があると思われている飲食料品部門にもマイナスの影響はほぼ無かった。表4は,産業連関分析による製造業分野における生産誘発効果をまとめたものである。製造業分野に対する波及効果合計は約196億円である。最も効果が大きい産業は電子部品部門で約94億円,続いて一般機械部門が約32億円,輸送機械部門と教育・研究部門が約11億円,情報・通信機器部門と電気機械部門が約9億円である。工業分野との域内取引を通じて,マイナスの影響も幅広く出ている。特に,サービス業に対しては大きな影響を与えている。一方で農林水産業にはほとんど影響がない点も特徴である。高知県経済全体へ与える影響を評価するため,TPP 参加を前提として影響評価を行う。TPP 参加により,農業分野ではマイナスの影響が生じるが,製造業分野では不参加によるマイナスの影響が参加により補われていると考えられる。よって製造業分野に対する影響から農業分野に対する影響を差し引くと,合計ではプラス約10億円である。平成17年高知県産業連関表での県内生産額の合計は3兆8888億円であり,県内生産額全体に対してはほとんど影響がないこ12 本節の図表は98部門から43部門へと統合を行っている。