104号

104号 page 77/94

電子ブックを開く

このページは 104号 の電子ブックに掲載されている77ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
TPP参加が高知県経済に与える影響評価75とがわかる。つまり,TPP 参加・不参加にかかわらず,高知県経済に与える影響はほぼ同程度であると読み取れる。産業別に見て1億円以上のプラスの効果が生じる産業は,電子部....

TPP参加が高知県経済に与える影響評価75とがわかる。つまり,TPP 参加・不参加にかかわらず,高知県経済に与える影響はほぼ同程度であると読み取れる。産業別に見て1億円以上のプラスの効果が生じる産業は,電子部品部門,情報・通信機器部門,一般機械部門,教育・研究部門,輸送機械部門,電気機械部門,情報通信部門,商業部門,電力・ガス・熱供給部門である。一方1億円以上のマイナスが生じる産業は,米部門,農業サービス部門,肉用牛部門,自家輸送部門,その他の畜産部門である。直接効果が生じる部門を除けば,教育・研究部門はプラスの影響を強く受け,農業サービス部門はマイナスの影響を強く受ける。これらの産業は直接効果のある部門との関係が深いことが読み取れる。第3章 TPP シミュレーションの政策的含意と課題産業連関分析により,高知県内の各産業に対してどのような効果があるかを把握し,TPP 参加による地域経済に与える影響の評価を行うことが出来た。しかしながら,高知県内でも農業が主要産業である地域や,工業が主要産業である地域など,地域ごとにその特色は様々であり,当然,TPP への参加・不参加がもたらす影響は異なると考えられる。そのため,本章では農業分野,工業分野,総合効果の3つのシナリオの効果の違いが及ぼす影響について,高知県内を7つの地域に区分して考察を行う。そしてシミュレーションの元となった農水シナリオ,経産シナリオのもつ課題についても述べつつ,TPP の影響試算に関する課題の検討を行い,最後に高知県の現状を顧みて,TPP の議論をどのように捉えるべきかについて提言を行う。第1節 効果を及ぼす地域の違いまずは高知県内を7つの地域へと分割する。地域区分は様々なパターンが考えられるが,TPP を巡る高知県内での議論への発展性を考慮して,本論では高知県産業振興計画で採用されている地域区分を用いることとした(表6)。この7つの地域区分における各産業が受ける影響を評価するために,高知県市町村経済統計より平成17年の各地域の第一次,第二次,第三次産業の総生産