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84 高知論叢 第104号極端となりうる。この評価をもって参加・不参加を論じることは利害関係や感情論に支配されがちとなる。そうではなく,多くのシナリオを想定し,実際に参加した時の影響を冷静に把握し,各シナリ....

84 高知論叢 第104号極端となりうる。この評価をもって参加・不参加を論じることは利害関係や感情論に支配されがちとなる。そうではなく,多くのシナリオを想定し,実際に参加した時の影響を冷静に把握し,各シナリオに応じた政策的対応や産業構造の構築に向けた動き,中山間地域支援などを行う準備をしておくべきである。先にも述べたようにTPP の議論は,高知県内が直面する課題である県内製造業の衰退や中山間地域の衰退,若年者の高知県離れといった問題を,より鮮明に浮き上がらせることとなる。参加・不参加の議論が,短期的な利害の議論に終始せず,高知県の長期的な将来に対する建設的な議論となることを願う。最後に本論文に対して至らぬ点をご指摘いただき,アドバイスを下さった高知大学教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門教授飯国芳明先生に感謝の意を表したい。また,移輸出,移輸入の推計に関しては,中国地方総合研究センター主任研究員柴田浩喜氏にご教示いただいた,記して感謝したい。もちろん論文中の責は全て筆者が負うことも合わせて述べておく。 参考文献[1] 飯国芳明(2011)「迫られる多面的機能の再検討」『農業と経済』第77巻第5号,昭和堂[2] 岡田知弘・伊藤亮司・にいがた自治体研究所編(2011)『TPP で暮らしと地域経済はどうなる』自治体研究社[3] 鈴木宣弘(2011)『全国農協中央会委託調査研究「TPP の影響に関する各種試算の再検討」』http://www.think-tpp.jp/shr/pdf/report03.pdf 2012/06/15取得[4] 中野剛志(2011)『TPP 亡国論』集英社新書[5] 中澤純治・大崎優(2011)「平成17年高知市産業連関表による高知市経済の構造分析」『四銀経営情報』No.121,四銀キャピタルリサーチ[6] 農文協編(2011)『TPP と日本の論点』農文協ブックレット[7] 萩原伸次郎(2011)『TPP 第3の構造改革』かもがわ出版[8] 北海道農政部(2010)『TPP(環太平洋パートナーシップ協定)による北海道への影響試算』http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsi/tppsisan.htm  2012/06/15取得[9] 山下一仁(2011)『TPP の論点』http://www.canon-igs.org/research_papers/pdf/111025_yamashita_paper.pdf2012/06/15取得