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10 高知論叢 第105号投票したという回答者の誤答率は市議選と同程度である(17.3%,21%)。自民党の場合,その多くは無所属候補者と取り違えているが(33名中23名),民主党の場合はむしろ自民党と間違えている者....

10 高知論叢 第105号投票したという回答者の誤答率は市議選と同程度である(17.3%,21%)。自民党の場合,その多くは無所属候補者と取り違えているが(33名中23名),民主党の場合はむしろ自民党と間違えている者が多い(10名)。市議選と同様に共産党の誤答率は低いが(3.5%),公明党のそれは顕著に高くなっている(52%)。自民党の候補者と混同している者が最も多いことから( 9 名),自民党との選挙協力が影響していると考えられる。市議選と同じく,党派が分からないという回答者も多い(54名)。合計すると,全体の28.7%が党派を間違えるか,分からないまま投票したと推定される。市議選よりも党派化が進んでいるにもかかわらず,若干,不正解率が高い。3.どのような人々が党派を正確に認識できないのか本節では,人々が候補者の党派を正確に認識できない理由を社会経済的属性,政治意識,政治的環境,以上の3 要因から探る。各要因との2 変量の関係を分析した後,多変量解析を適用し,他の変数をコントロールしても残る変数固有の効果を明らかにする。3. 1. 不正確な党派認識をもたらす諸要因まず,回答者による党派認識の正確性と社会経済的属性,政治意識,政治的環境について,それぞれの変数間の関係を検証する。さいたま市議会議員選挙について,社会的属性との関係を見てみよう(表3a)。「性別」については,若干であるが,男性の方が不正解率は高い。「年齢」については,正しく答えられない者が最も多いのは30歳代,最も低いのは60歳代である。ただし,年齢が高くなるに従って不正解が少なくなるかといえば,そうとも言い切れない。20歳代の不正解率は60歳代に次いで低く,40歳代から50歳代へとむしろ増えている。調査の特性として,20歳代,30歳代の回答者を捕捉し切れていないことも考えられるので,即断を避けたい。「居住年数」はどうであろうか。居住年数が長いと,当地についての政治的知識を獲得する機会も増えるため,党派を正しく答えられない者も減ると予想できる。分析による