105号

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12 高知論叢 第105号同じく,埼玉県議会議員選挙について,社会的属性との関係を見る。「性別」と不正解率の関係については,市議選と同様に男性の方が間違いは多い。「年齢」については,不正解率が最も高いのは30....

12 高知論叢 第105号同じく,埼玉県議会議員選挙について,社会的属性との関係を見る。「性別」と不正解率の関係については,市議選と同様に男性の方が間違いは多い。「年齢」については,不正解率が最も高いのは30歳代であり,70歳代が最も低い。しかし,20歳代や40歳代,50歳代,60歳代も低く,年齢と不正解率の関係はあいまいである。「居住年数」と不正解率については,市議選と同様に,3 年未満と20年以上が低い。3 年以上と10年以上が高い点も同じである。「学歴」と不正解率についても,市議選と同様に,大学が低く,高専等と高校は高く,関係があるように見えるが,やはり中学と答えた者の不正解率が最も低い。「職業」と不正解率については,市議選とは異なり,(農林漁業従業者を除くと)自営が最も低く,無職他,事務等,主婦と続き,製造等が突出して高い。ここまでの分析から,候補者の党派を正確に言い当てられない人が最も多いのは,男性,30歳代,居住年数が3 年以上20年未満,高専等や高校を卒業した者,被雇用者といえる。次に,政治意識と党派認識の正確さとの関係を検証する(表 3b)。まず,市議選について見てみよう。「政党支持」との関係については,(回答者が少ないカテゴリーを除くと)民主支持者の不正解率が比較的に高いが,公明支持者と共産支持者のそれは顕著に低い。前節の表2 の傾向と一致している。一方,予想通りというべきか,「政党支持がない」と答えた者の不正解率はかなり高い。「統一地方選挙への関心」との関係については,「非常に」ないし「多少は」関心をもったと回答した者と比べて,「ほとんど関心をもたなかった」と回答した者の不正解率が高い。選挙に関心がある者がそうでない者と比べて候補者の党派を正確に認識しているのは不自然ではない。本稿の鍵変数の1 つである「投票理由」との関係については,「支持する政党の候補者だから」と回答した者の不正解率は非常に低く,その他の理由を挙げる回答者とは顕著に異なる点に注目したい。政党を投票理由とする場合,候補者の党派を正確に認識する必要があると考えられるから,首肯できる結果である。その他の理由は全て候補者に関するものである。人柄や経歴,政策は言うに及ばず,「人から頼まれた」場合も様々なネットワークを通じて候補者の名前を挙げつつ依頼された事例と想定できるからである。その他,候補者との関わりについては,「名前」を選