105号

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党派的に正確な投票は可能か13挙前から知っていた者と選挙まで知らなかった者の不正解率を比較すると,前者が低い。「候補者の人柄や考え方」については,「ふだんからある程度知っていた」ないし「今度の選挙が始ま....

党派的に正確な投票は可能か13挙前から知っていた者と選挙まで知らなかった者の不正解率を比較すると,前者が低い。「候補者の人柄や考え方」については,「ふだんからある程度知っていた」ないし「今度の選挙が始まってから知った」と回答した者よりも,「よく知らなかった」者の不正解率の方が顕著に高い。党派も名前や人柄等と同じく候補者に関する情報であり,上記のような傾向が現れると考えられる。県議選について見ると,「政党支持」については,共産党の支持者の不正解率が低く,自民党と民主党,特に政党支持がない者のそれが高い点は市議選と同様である。しかし,公明党支持者の不正解率が高い点は異なる。前節の表2と軌を一にしている。「統一地方選挙への関心」については,「非常に」ないし「多少は」関心をもった者の不正解率が低いのに対して,「ほとんど関心をもたなかった」者のそれはとても高い。また,「投票理由」に関しては,「支持する政党の候補者だから」と答えた者の不正解は少なく,他の理由を挙げた者よりも相当に低いが,市議選の場合よりは高い。「候補者名」については,選挙前から知っていた者より選挙まで知らなかった者の方が不正解率は高い。「人柄や考え方」の認知度別の不正解率については,「ふだんから」,「今度の選挙が始まってから」,「よく知らなかった」と次第に高くなっており,市議選の様相とは若干異なる。以上から,政党支持がない,民主党支持者,選挙への関心は薄い,政党以外に注目して候補者を選ぶ,候補者の名前や人柄を知らない,このような政治意識を持つ者は党派を正確に認識する割合が低いとまとめられる。最後に,回答者を取り巻く政治的な環境と党派認識の正確性について検証する。まず,市議選から見てみよう。「選挙で参考にしたもの」について,いくつでも挙げてもらったが(候補者の演説,選挙カーによる連呼,電話による依頼,ポスター等,ホームページ,新聞,家族の話し合い,候補者からの依頼,知人・親戚等のすすめ,労働組合のすすめ,町内会の推薦,その他団体のすすめ,その他),その合計数と不正解率との関係は必ずしも明瞭ではない。回答のほとんどは1 つか2 つに集中しているが,3 つか4 つと比較すると,不正解率は高い。参考にしたものが多いと正解する回答者が増えるようである。「後援会の加入」については,市議と県議,両方の後援会に入っている者は不正解率が低