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党派的に正確な投票は可能か15いが,全体に占める割合は少ない。加入していない者が大半を占めるため,これについてはっきりとしたことはいえない。本稿の2 つ目の鍵変数である「候補者数」との関係については,6 人....

党派的に正確な投票は可能か15いが,全体に占める割合は少ない。加入していない者が大半を占めるため,これについてはっきりとしたことはいえない。本稿の2 つ目の鍵変数である「候補者数」との関係については,6 人から8 人,10人から12人,13人から14人へと,人数が増えると不正解率が低くなっている。ちなみに,不正解率の最高は11人の39.5%,最低は13人の16.3%である。この点については,後ほどさらに検討する。県議選の場合も,「選挙で参考にしたもの」の合計数と不正解率の関係は市議選と同様である。1 つか2 つという回答でほとんどを占め,参考にしたものの数が多いと不正解率は低下している。また,「後援会」については,市議と県議のいずれにも入っていない者が大半であり,不正解率も高く出ている。「候補者数」と不正解率の関係については,3 人ないし4 人の場合と比べると,2人の場合が突出して高い。候補者数が減少すると正しく答えられない者の割合が高くなるという市議選の傾向と同じと考えられる。以上から,選挙で参考にしたものの数が少ない,後援会に加入していない,選挙区の候補者数が少ない,このような政治的な環境に身を置く者は候補者の党派を認識する精度が低いといえよう。さらに,候補者数と投票理由,候補者数と候補者名の認知,候補者数と人柄や考え方の認知について,それぞれの関係を補足しておく。投票理由については,先行研究と同様,候補者数が増えると投票理由として政党を挙げる者が減り,候補者を挙げる者が増える。市議選の場合,政党を挙げる者の割合は候補者数が6 人の時に33.7%,8 人の時に20.9%,10人の時に20.4%,11人の時に14.3%,12人の時に17.2%,13人の時に15%,14人の時に20.7%である。県議選の場合,2 人の時に22.9%,3 人の時に23.8%,4 人の時に11.5%となる。ここから,候補者数が増えると政党を投票理由として挙げる者が少なくなるため,不正解率は高くなるという関係が想定されるが,先述の通り,事実とは反する。一方,投票した候補者の名前や人柄・考え方の認知については,候補者数との関係は明確ではない。市議選においては,「選挙前まで名前も知らなかった」と回答した者の割合は,6 人の時に31.3%,8 人の時に32.6%,10人の時に29.2%,11人の時に27.9%,12人の時に12.1%,13人の時に25.9%,14人の時に