105号

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18 高知論叢 第105号かった」を2,「多少は関心をもった」を3,「非常に関心をもった」を4 とする関心のインデックスである。「投票理由」は本稿の鍵変数である。「支持する政党の候補者だから」を1,「人から頼ま....

18 高知論叢 第105号かった」を2,「多少は関心をもった」を3,「非常に関心をもった」を4 とする関心のインデックスである。「投票理由」は本稿の鍵変数である。「支持する政党の候補者だから」を1,「人から頼まれたから」,「人柄が良さそうだから」,「これまでの経歴や実績が良いから」,「かかげている政策や公約に賛成だから」,「その他」を0 とするダミー変数である。「候補者名」も,「選挙前から名前を知っていた」を1,「選挙まで名前も知らなかった」と「わからない」を0 とするダミー変数である。「人柄や考え方の認知」は,候補者の人柄や考え方について「よく知らなかった」を1,「今度の選挙が始まってから知った」を2,「ふだんからある程度知っていた」を3 とする認知度のインデックスである。最後に,政治的環境に関する独立変数は,「選挙の参考」,「後援会加入」,「候補者数」である(表4 の網掛け部)。「選挙の参考」は前小節で説明したように,選挙で参考にしたものの数である。「後援会加入」は,県議と市議どちらの後援会にも加入していないを0,いずれかの後援会に加入している場合を1,双方に加入している場合を2 とする連続変数である。「候補者数」は本稿の鍵変数であり,回答者の選挙区に立候補している候補者の数である。さて,表4 に戻ろう。アスタリスクの数は統計的な有意水準を示している。市議選と県議選のモデルを比較すると,アスタリスクの数は異なるが,本稿が関心のある政治意識と政治的環境に関する変数群については,「その他支持」と「候補者の人柄や考え方の認知」を除いて,係数の符号は全て一致している。従って,両者の分析結果からは一定の共通した傾向が表れていると考えられる。ロジット分析による係数をそのまま解釈することは難しいため,他の変数を一定として,ターゲットとする変数の変化によるオッズ比の変化を計算した。統計的に有意な変数について紹介すると,「年齢30歳代」の場合,不正解となるオッズ比は2.88倍(市議選)ないし3.88倍(県議選),それぞれ増加する。つまり,不正解の確率は大幅に上昇するといえる。さらに市議選について見ると,「年齢50歳代」の場合,オッズ比は2.23倍増加する。職業が「被雇用者」の場合は2.08倍,「無職・その他」の場合は2.15倍,「民主党支持」の場合は8.63倍,それぞれオッズ比が増大する。本稿の鍵変数については,「投票理由」が政党であると,正しく答えられないオッズ比は93%(市議選)ないし79%(県議選),