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金融商品会計プロジェクトにおけるIASBとFASBのコンバージェンスの状況29⑤ IAS 第39号と公開草案(2009)における減損損失の認識の違い図表4 にまとめたように,IAS 第39号では,直接減額(write-off)する方法と....

金融商品会計プロジェクトにおけるIASBとFASBのコンバージェンスの状況29⑤ IAS 第39号と公開草案(2009)における減損損失の認識の違い図表4 にまとめたように,IAS 第39号では,直接減額(write-off)する方法と引当金勘定を設定する方法の2 つが認められていたが,公開草案(2009)では,情報の有用性,比較可能性という観点15から引当金勘定を設定する方法のみが認められることとなった。⑥ IAS 第39号と公開草案(2009)における減損損失の戻入れの違い図表5 にまとめたように,IAS 第39号と公開草案(2009),いずれも減損損失の戻入れを認めているが,公開草案(2009)では戻入れにより利得が生じる可能性がある点に違いがある。 図表3 公開草案(2009)における減損損失の測定償却原価で測定される金融商品実効金利13を算定する際に,予想損失の当初見積もりを含め14,予想信用損失の当初見積もりは金融資産の予想残存期間にわたり配分される。このため,予想に変化がない限り,減損損失は生じない。ただし,当初認識後に予想信用損失の見積もりに不利な変更が生じた場合には,減損損失が生じる。(第6項~10項,BC25)公正価値で測定される金融商品公正価値との差額はすべて純損益に計上されるか,またはすべてその他の包括利益に計上されるため,減損処理は不要となる。 図表4  IAS 第39号と公開草案(2009)における減損損失の認識IAS 第39号償却原価で計上されている金融資産金融資産の帳簿価額を直接減額するか,引当金勘定を設定する。売却可能金融資産金融資産の帳簿価額を直接減額するか,引当金勘定を設定するとともに,その他の包括利益に計上されている累積損失を純損益に振り替える取得原価で計上されている金融資産金融資産の帳簿価額を直接減額する。公開草案(2009) 償却原価で測定される金融資産に関して,引当金勘定を用いなければならない。(第15項)(出所:あずさ監査法人IFRS 本部『ケース・スタディ IFRS の金融商品会計』中央経済社2011年,65~66頁を参考に筆者作成)