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32 高知論叢 第105号? 「金融商品:償却原価と減損」の公開草案についての補足IASB は,前述の3 ?で検討された問題について公開草案を再公開するかどうかの検討を行った結果,オープン・ポートフォリオの中で管理....

32 高知論叢 第105号? 「金融商品:償却原価と減損」の公開草案についての補足IASB は,前述の3 ?で検討された問題について公開草案を再公開するかどうかの検討を行った結果,オープン・ポートフォリオの中で管理されている金融資産の減損に限定することとした。内容が限定的であるということから,公開草案ではなく公開草案についての補足(Supplement to ED)とし,2011年1月「「金融商品:償却原価と減損」の公開草案についての補足」を公表した。補足(2011)は,前述の3 ?で示したIASB とFASB の減損の会計処理について共通の解決をはかるために情報を得ることを目的としたものである。補足(2011)では,オープン・ポートフォリオで管理される金融資産の減損引当金(impairment allowance)を算定するために2 つのグループ23にわけることが提案されている。この区分は,企業内の信用リスク管理に基づいて行われ,図表7 にまとめたように減損損失の認識がグループによって異なる。? 補足(2011)公表後の状況2011年3 月のIASB とFASB の合同会議において,IASB とFASB と異なる予想損失の測定方法について検討を行い,予想損失の計算を期待値を用いて行うというIASB の考え方で暫定合意がなされた25。2011年5 月のIASB とFASB の合同会議において,補足(2011)のコメント分析などに基づいて,フェーズ2 プロジェクトの将来の方向性に関する4 つの代案が示され,代替案4 を採用することで暫定合意がなされた26。 図表7 オープン・ポートフォリオの減損グループ減損損失の認識予想信用損失を一定期間にわたって認識することが適切な資産(good book)次のうち高い方? 予想信用損失の期間比例配分額? 予見可能な将来期間2(4 企業の報告日から12ヶ月以上)に発生することが予想される信用損失他のすべての資産(bad book)予想信用損失の全額(出所:IASB「「金融商品:償却原価と減損」の公開草案についての補足」2011年,第2 項を参考に筆者作成)