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40 高知論叢 第105号公開草案(2010)の提案は取り下げられ,ドラフトの第6. 5. 8項において,ヘッジ手段の公正価値の変動から生じる利得と損失は,純損益で認識され,ヘッジ対象のヘッジ利得と損失はヘッジ対象の....

40 高知論叢 第105号公開草案(2010)の提案は取り下げられ,ドラフトの第6. 5. 8項において,ヘッジ手段の公正価値の変動から生じる利得と損失は,純損益で認識され,ヘッジ対象のヘッジ利得と損失はヘッジ対象の帳簿価額を修正し,純損益で認識されるというように,IAS 第39号の処理に戻されている。? FASB のヘッジ会計の検討状況FASB は,2008年6 月に公開草案「ヘッジ活動の会計」を,2010年5 月にASU 案(proposed Accounting Standards Update)「デリバティブ及びヘッジ(Topic 815)と金融商品(Topic 825):金融商品に関する会計処理とデリバティブ金融商品及びヘッジ活動に関する会計処理の改訂」を公表し,ヘッジ会計の簡素化について検討を行ってきた。IASB の公開草案にあわせて,2011年2 月にディスカッション・ペーパー「コメントの募集-ヘッジ会計について特定の問題(IASB 公開草案「ヘッジ会計」を含む)」を公表し,ASU 案とIASB の公開草案との相違について意見を求めた。それ以降,現行ASU についての再審議は始められていない。5.金融商品会計プロジェクトにおけるIASB とFASB のコンバージェンス2002年のノーウォーク合意以降,IASB とFASB は会計基準(IFRSs とUSGAAP)の相違を減らす試みを行ってきた。2005年のEU におけるIFRSs 導入などによりIFRSs の国際的な重要性が増したことで,2006年にIASB とFASB は具体的に基準間の相違をなくすMoU をかわし,両審議会の共同プロジェクトについて2008年までの達成目標を設定した(MoU は,2008年に更新されている)。リーマン・ブラザーズの経営破綻による世界的な金融危機への対応の中で,単一の国際的な会計基準の作成の必要性が示されたことで,2009年11月にIASB とFASB は,それぞれの会計基準の改善と両審議会の会計基準のコンバージェンスを行う共同声明をだしている。