106号

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武官の人事評価に関する歴史的研究23二. 十しはすのみづのとのみのついたち有二月癸巳朔丙ひのえ申さる 皇みいくさつひに師遂?長ながすねひこをうつ髄彦。連しきりにたたかひて戰不とりかつことあたはず能取勝。時....

武官の人事評価に関する歴史的研究23二. 十しはすのみづのとのみのついたち有二月癸巳朔丙ひのえ申さる 皇みいくさつひに師遂?長ながすねひこをうつ髄彦。連しきりにたたかひて戰不とりかつことあたはず能取勝。時ときにたちまちにしてひしけてひさめふる忽然天陰而雨氷。乃すなはちこがねのあやしきとびありて有金色靈鵄。飛とびきたりてみゆみのはずにとまれり來止于皇弓之弭。其そのとびひかりてりかがやきて鵄光曄煜,?かたちいなびかりのごとし如流電。由これによりて是,長ながすねひこ いくさのひとつも みなまどひまぎえて髄彦軍卒皆迷眩,不またこはめたたかはず復力戰。」八咫烏と金鵄はしばしば混同される。一書曰を含めた『日本紀』の記述において,神武天皇自身と天神を直接結びつける神話は,八咫烏ではあるが金鵄は少ない。『神代紀』に出てくる烏の文字は5件,鵄は1件であり,『神武紀』には烏15件,鵄は4件のみである。政府が烏を避け,あえて金鵄とした意図は,日本語の語感とイメージを選んで意図した工作であった。しかもわざわざ,建議から2年後の神武紀元2550年2月11日を選んで法制化したことに,神武神話の神聖性を挿入する意図があった。金鵄勲章叙賜制度は,設置まもなく,日清戦争により大本営が設置され叙勲調査系統が修正された。図1・ 図2は金鵄勲章叙賜規定(明治27年12月13日陸達139号)によって示された戦時と平時における武功調査の組織図である。それまでの金鵄勲章制度と大きな相違は,統帥者への上奏が,戦時において内閣から軍事内局に移る事である。武功調査委員は内閣を経ず統帥され,しかも内局直属となる。これは大本営設置にともなう措置と説明されたが,統帥上のみならず人事評価に関しても,参謀本部,軍令部が優位となる大きな一歩であった。以下は,金鵄勲章叙賜規定における各条項と上奏書である。明治27年12月13日陸達139号 陸軍次官児玉源太郎 西郷従道陸軍大臣代理「第1条 軍事内局ニ武功審査委員ヲ置キ陸海軍将官並同相当宮中帯勲者若干名ヲ以テ之ヲ組織ス第12条 軍事内局長上奏ヲ経タルノ後武功ノ理由勲章ノ等級及職官位勲爵姓名ヲ内閣総理大臣ヲ経テ賞勲局総裁ニ移牒ス而シテ其勲記ハ賞勲局総裁ヨリ直ニ軍司令官又ハ艦隊司令長官ニ送付ス第13条 大本営ヲ解カレタル後ニ於テハ武功審査委員ニ関スル事項ハ陸海軍勲功調査委員ニ軍事内局長ニ係ル事項ハ陸海軍大臣ニ移シ陸海軍大臣ハ内閣総理大臣ヲ経テ之ヲ上奏ス」これより先,海軍大臣西郷従道の名で,軍功調査に関する以下の様な上奏書