106号

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84 高知論叢 第106号とが必要である。次節で,青森県A市の「通知」「勧告」の適用実態,および高知県内では初めて「通知」が出されたB 町の適用実態の概略を紹介する。4 遊休農地規定適用の現段階4 -1. 青森県A....

84 高知論叢 第106号とが必要である。次節で,青森県A市の「通知」「勧告」の適用実態,および高知県内では初めて「通知」が出されたB 町の適用実態の概略を紹介する。4 遊休農地規定適用の現段階4 -1. 青森県A市における遊休農地対策規定の適用(1)青森県A市およびA市農業委員会の概要青森県A市農業委員会は,2010(平成22)年度に農地法34条に基づく「勧告」を2 件(2.0ha),翌2011年度に2 件(1.4ha)行った。2010年実施の勧告は全国初の事例であるとみられ,参考となる重要な先行事例であると考えられたので,筆者は2012年11月22日に農業委員会事務局を訪問し,農業委員会事務局次長補佐ほか1 名,計2 名の方から農業,農村の概要,農業委員会活動の概要および遊休農地対策のあらましについて説明を受けた。青森県A市は,県の中心都市の一つであり,藩政時代から城下町として栄え,1889(明治22)年の市政・町村制施行時から市となっている。1955(昭和30)年,1957(昭和32)年には周辺12町村と合併し,さらに2006(平成18年)には近隣2 町村と合併し,2012年末現在の人口は18万人あまりを数える。2012(平成24)年版の市政概要によると,農業ではりんご生産が特に盛んで,2010年の全国収穫量の57.5%(452,500t)を占める青森県で第1 位である。りんごの産出額は253億5 千万円,りんご果樹面積は8,222haで県内20,142haの40%を占める。また,市農林部には「りんご課」という部署もあり,りんごは市のシンボルとなっている。管内の水田面積は4,690haで,圃場整備率は73.5%となっている。りんごに次いで米が市内第2 位の農業生産物で,米の農業産出額は37億3 千万円となっている。このほか野菜18億4 千万円,畜産6 億6 千万円などとなっている。農家戸数は7,397戸で,5 年前に比べ805戸減少し,経営耕地面積は11,229haで同340haの減少となっている。経営耕地のうち田の面積は3,406ha,畑は427ha,果樹園は7,396ha となっており市内経営耕地の65.9%が樹園地となっている。1 経営体あたりの耕地面積は1.69ha,経営耕地面積規模別経営体数は0.5~1.0haが1,586経営体,1.0~1.5haが1,202経営体となっているほ