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2009年農地法改正における遊休農地対策規定とその適用の現段階89展開中とのことであった。ケース(1)については長年の懸案だった事項であり,農地法改正を機に積年の課題を実行に移したものという要素が強いと考え....

2009年農地法改正における遊休農地対策規定とその適用の現段階89展開中とのことであった。ケース(1)については長年の懸案だった事項であり,農地法改正を機に積年の課題を実行に移したものという要素が強いと考えられる。一方,ケース(2)から(4)まではいずれも畑であり,具体的には樹木の伐採が必要とされた事案である。先述のようにA市は,市内全域にわたってりんご園が拡がっており,その多くは隣接して地続きになっている。そのため,1 カ所のりんご園の樹木に病気や害虫が発生すると,瞬く間に近隣に拡散し,地域全体が甚大な被害を受けるおそれがある。このため,りんご園を廃園にする際には,りんごの樹を伐採するばかりでなく,伐根までして病害虫発生の危険性を排除するのが地域におけるルールとなっている。家族経営で3 ha 前後のりんご園を持ち,農繁期には雇用も入れるという形が地域における平均的な経営体であるが,経営主が高齢化し体力的に厳しくなってきたときに後継者がりんご園経営を継続できれば良いのであるが,それがなかなか難しいのが地域の実情である。また,個別経営では3 ha 前後が規模的に限界に近いことや,品種による栽培方法の違い,りんごの樹の仕立て方の違い等があって,他人のりんご園をそのまま引き継ぐということはしづらいとのことであった。長年苦楽をともにしてきた樹木を伐採,伐根するのに忍びなくて,また病気やけが等で1 ,2 年管理のみ行って行くつもりであったのができなくなって等,理由は様々であるが,そういった理由でりんご園が放任状態になってしまうケースが多いとのことであった。ケース(2)および(4)もそうした理由で遊休化しており,病気・害虫発生防止の意味から迅速な対応が必要ということで勧告にまで至ったものである。A市の勧告事例4 件は,いずれも勧告に留まっており,35条以下あるいは44条の適用は想定していないとのことであった。図2 の左下にはわずかに「所有権移転協議者の指定」と記載され,35条の適用が想定されていないわけではないと推察されるが,図1 で見るとおり35条2 項からは農業委員会内部では処理できない段階になってしまうので,仮に35条の段階まで進むとしても1 項まで,ということであろう。30条の段階を手厚くすることによって32条以下に進む事案を減らし,34条に至る前の段階で受け手の掘り起こし活動等を行って,35条