高知論叢107号

高知論叢107号 page 101/180

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日米開戦前の御前会議と帷幄上奏に関する書誌的研究74この日誌を読まれ、大東亜戦争について、より深く考えて頂くことを期待します。」「機密戦争日誌」の刊行を慶ぶ 瀬島龍三二八同資料表紙裏には、防衛庁(当時)....

日米開戦前の御前会議と帷幄上奏に関する書誌的研究74この日誌を読まれ、大東亜戦争について、より深く考えて頂くことを期待します。」「機密戦争日誌」の刊行を慶ぶ 瀬島龍三二八同資料表紙裏には、防衛庁(当時)戦史研究所としては同資料の後注(有末手記)に記されているような事には一切関知しない旨の注が付されている。二九「天皇陛下に於かせられましては、大東亜戦争勃発前、我が國が和戦を決すべき重大なる御前会議が開かれました時に、世界の大國たる我が國と米英とが、戦端を開くが如きこととなりましたならば、世界人類の蒙るべき破壊と混乱は測るべからざるものがあり、世界人類の不幸之に過ぐることなきことを痛く御軫念あらせられまして、御自ら 明治天皇の「よもの海みなはらからと思ふ世になと波風のたちさわくらむ」との御製を高らかに御詠み遊ばされ、如何にしても我が國と米英両國との間に蟠まる誤解を一掃し、戦争の危機を克服して、世界人類の平和を維持せられることを冀はれ、政府に對し、百方手段を盡くして交渉を円満に纏めるようにとのご鞭撻を賜わり、参列の諸員一同、宏大無辺の大御心に、粛然として襟を正したと云うことを漏れ承って居ります、此の大御心は、開戦後と雖も終始変らせらるヽことなく、世界平和の確立に對し、常に海の如く広く深き 聖慮を傾けさせられたのであります。」昭和二〇年九月五日 東久邇宮稔彦内閣總理大臣戦争集結ニ至ル経緯竝ニ施政方針演説 衆議院演説三〇有末精三『有末精三回顧録』芙蓉書房昭和四九年八月一五日一九頁三一表紙は筆書きでは「上奏時御下問綴」であるが、後日「上奏時」が消され、「自昭和十五年十一月至昭和十六年十一月 参謀総長上奏時御下問奉答綴」と訂正されている。参謀本部員であることは間違いないだろうが、だれが訂正を入れたかは不明である。終戦直後である可能性が高い。三二原四郎、昭和一六年少佐、最終階級は参謀本部第二〇班中佐、戦後自衛官(一等空佐)戦史編纂官、『大戦略なき開戦』一九八七年原書房、幼年学校以来の同期であり、参謀本部作戦課に籍をおいた瀬島隆三の序がある三三海軍作戦日(「八日ト予定シテ居リマス」)が後日加筆修正された三四大本営「御前会議議事録」防衛研究所戦史研究センター史料室所蔵三五『東京裁判資料木戸幸一尋問調書』一九八七年一月三〇日大月書店五一五頁三六この間近衛首相は鎌倉に引き籠もる一〇月四日、部局両会議(一〇月五日、六日)五相会議(一〇月一二日)にて近衛首相「自信のある方でおやりなさい」発言、一〇月一六日近衛内閣総辞職三七大本営同上資料三八一一月五日御前会議記録、外務省起案「日米交渉の経緯」昭和一六年一一月二八日三九大本営同上資料四〇大本営同上資料四一『木戸幸一日記』(『木戸幸一文書』所収 国立国会図書館憲政資料室蔵)木戸日記研究会刊『木戸幸一日記』(東京大学出版会)木戸日記研究会は、木戸幸一の日記及び手許にあった文書を研究するため、一九四八年頃から発足した研究グループであり、「木戸幸一文書」の翻刻、刊行、研究誌などの発行を行って解散