高知論叢107号

高知論叢107号 page 13/180

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高齢者の長期療養ケアに関する一考察11おり,介護ニーズの高い患者は医療ニーズも高いことがわかる。次に,要介護度が用いられる介護療養病床についてみてみる。介護療養病床では,医療区分1 に該当する患者がもっと....

高齢者の長期療養ケアに関する一考察11おり,介護ニーズの高い患者は医療ニーズも高いことがわかる。次に,要介護度が用いられる介護療養病床についてみてみる。介護療養病床では,医療区分1 に該当する患者がもっとも多く,全体の81.7%を占めており,そのうち67.0%が要介護5 に,28.5%が要介護4 に該当しており,介護ニーズの高い患者が9 割以上を占めている。また,要介護度別にみると,もっとも介護ニーズの高い要介護5 に該当する患者が全体の71.1%を,要介護4 に該当する患者が25.2%を占めており,介護ニーズの高い患者が9 割以上を占めている。このうち,医療ニーズの高い医療区分3 に該当する患者は5.0%であり,医療区分1 に該当する患者が81.0%を占める。介護療養病床においては,医療療養病床に比べ,介護ニーズが高い患者の占める割合は高いものの,医療区分は低い患者の割合が高いことがわかる。(3)医療区分の問題点と改善策① 医療区分の問題点まず,現在の医療区分のあり方に問題があると思うかという設問に対する回答(有効回答数26,無回答数1 )をみてみる(図表12)。有効回答のうち84.6%が「ある」と回答し,「なし」と「どちらでもない」と回答したのはそれぞれ7.7%であり,多くの医療施設で医療区分のあり方に問題があると考えられているといえる。図表12 医療区分のあり方に問題があるか度 数割 合ある22 84.6%ない2 7.7%どちらでもない2 7.7%合計26 100.0%次に,医療区分のあり方に問題があるとした場合,その理由としてもっとも重要なものについての設問に対する回答(有効回答数22,非該当数3 ,無回答数2 )をみてみる(図表13)。