高知論叢107号

高知論叢107号 page 156/180

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19 高知論叢 第107号昭和六年六月五日、総理大臣が朝鮮総督更迭を内奏する。人事局長、陸軍大臣の代わりに武官長が人事内奏を伝奏する。八月二八日、人事局長からの内奏を武官長が伝奏する。九月二八日、陸軍人事局....

19 高知論叢 第107号昭和六年六月五日、総理大臣が朝鮮総督更迭を内奏する。人事局長、陸軍大臣の代わりに武官長が人事内奏を伝奏する。八月二八日、人事局長からの内奏を武官長が伝奏する。九月二八日、陸軍人事局長が師団長進退伺いの内奏を武官長が伝奏する。九月一二日、陸軍人事局長は、海軍が陸軍に倣って人事内奏の範囲を拡大させると、陸軍の立場が「不良」となるので、一時見合わせて欲しいと内奏する。一二月一八日、陸軍司令官の任命を陸軍人事局長の奏上を侍従武官長が代奏、内奏する。同    陸軍参謀総長の更迭と閑院宮の参謀総長就任人事の内意を得る。昭和七年一月二二日、 海軍大臣が伏見宮を軍令部長に推挙するために、天皇の内意を得る事を侍従武官長に依頼する。一月二九日、軍令部長の更迭と伏見宮軍令部長就任が裁可される。軍令部長(伏見宮)が特命検閲使を覆奏する。奈良武次侍従武官長の後任人事に関して、陸軍大臣による侍従武官長人事案に陛下は不満である。5.昭和天皇への御進講記録定例の御進講は一週間に二日間、曜日を決めて行われた。昭和初期において、火曜日には、行政法・財政及経済の御進講が、木曜日、皇室宮中令制・軍事学の御進講が行われた。金曜日は、定例の拝謁日とされ、土曜日は生物学のご研究の日とされた。火曜日御進講は行政法・財政及経済、木曜日は皇室宮中令制・軍事学がその科目名であったが、それにとらわれず多様なテーマの御進講が実施された。『侍従武官長奈良武次日記』に記された昭和初年の御進講科目を、筆者が三つに大別した題目を表六に示した。御進講題目は古典、教養が少なく、軍務、国務、外交、国際情勢という重要な時事