高知論叢107号

高知論叢107号 page 160/180

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15 高知論叢 第107号昭和四年三月四日、参謀次長が済南撤兵計画を上奏した。四月一七日参謀総長は山東撤兵開始延期を上奏したが、天皇はその上奏に不同意であった。天皇は、内大臣、総理に御下問を行った。五月一日....

15 高知論叢 第107号昭和四年三月四日、参謀次長が済南撤兵計画を上奏した。四月一七日参謀総長は山東撤兵開始延期を上奏したが、天皇はその上奏に不同意であった。天皇は、内大臣、総理に御下問を行った。五月一日、鈴木前参謀総長参謀総長、作戦の内意を伺う五月二一日、白川陸軍大臣が、満州某重大事件責任者処分の件を内奏する。田中義一首相について「事件発表に関し奏上の際、陛下より責任を取るにあらざれば許し難き意味の御沙汰ありし由、然るに首相は解せざりしか或は解せざる風を装ふてか、白川陸相に勧め責任者処分の件を内奏せしめたるため逆鱗に触れ、事頗る面倒に立至れり、首相は辞表奉呈の決心をなしたりと云ふ」一〇月二一日、参謀次長はシナ情勢を上奏し、裁可された。昭和五年六月一〇日、軍令部長の上奏を御下問になり、海軍大臣に下付することを御聖断になった。昭和六年従来、陸軍参謀総長はシナの作戦、状況を上奏、裁可していた。海軍は軍令部長からの上奏については海軍元帥へ御下問した後、裁可していたが、本年から御下問なく裁可されるようになった。六月一八日、張作霖爆死事件のため停職中であった河本大佐復職の件を、陸軍人事局長が武官長を通じて内意を伺う。六月二〇日、河本大佐復職の内意を得ることはできなかった。六月二四日、陸軍人事局長が内奏、参謀本部第一部長が上聞した後、河本大佐の一時的な復職が許された。三月五日、 参謀本部、軍令部が共同して対米作戦の図上研究を行った結果、好結果を収めた旨を奏上した。山東出兵の上奏に際し、田中義一首相は参謀