高知論叢107号

高知論叢107号 page 169/180

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日米開戦前の御前会議と帷幄上奏に関する書誌的研究6戦時における旅順港湾閉塞であろう。明治三九年九月一二日、奏聞、上奏書は最も詳細なものであった。以下にその際の上奏書の絵図を示した。原資料はいずれも防衛....

日米開戦前の御前会議と帷幄上奏に関する書誌的研究6戦時における旅順港湾閉塞であろう。明治三九年九月一二日、奏聞、上奏書は最も詳細なものであった。以下にその際の上奏書の絵図を示した。原資料はいずれも防衛省防衛研究所戦史研究センター史料「日清日露前後上奏書類」である。奏上書は旅順口鎮守府一一司令長官海軍中将従四位勲三等功四級三須宗太郎の名で提出された。冒頭には「明治三八年一〇月平和克復後本年八月三〇日ニ至ル管下状況ノ概要ヲ摘録シテ叡覧に供シ奉ル謹ミテ奏ス」とある。同上奏書には三〇枚余りの報告書と絵図五枚の付属資料が添付された。旅順港内閉塞の敵味方の沈没船、海底図と個別沈没船の破砕状況が提出された。その他、船舶のすべての建造状況、修理など詳細な報告を実施した。旅順口沈没船状況について「残骸、繋留、掃海、浮遊處分、沿岸防御計畫、軍艦二隻戦闘態勢、水雷艇八隻恒例検閲、後日概して善良」なる報告がなされた。日露戦後、閉塞した旅順港湾の沈没艦の引揚、沈没艦回航、掃海を海軍は実施した。この作戦処理には膨大な作業を要した筈である。以下は、この時上奏、検閲に付された海軍省状況報告である。 恒例検閲明治三八年一〇月平和克服後、本年八月三一日至ル管下状況ノ概要ヲ指摘シテ、叡覧ニ供シ奉ル、謹ミテ奏ス旅順口鎮守府司令長官海軍少将 三須宗太郎 花押敵引揚船・内訳 敵戦艦一 駆逐艦一 貨船三 雑役船二二内地へ回航・戦艦二 巡洋艦一 水雷砲船一 駆逐艦一 汽船五船名所属L B D1 小樽丸日本328 36 122 三河丸日本260 39 83 ハルピン丸露400 20 304 ハイラル丸露433 48 155 江戸丸日本250 35 156 愛国丸日本264 32 127 遠江丸日本260 37 138 仁川丸日本300 35 109 相模丸日本370 37 1010 佐倉丸日本336 41 1111 シルカ露276 42 2312 泥受船日本155 29 1313 アドワルドバレ露300 49 2414 千代丸日本265 32 14旅順閉塞船一覧