高知論叢107号

高知論叢107号 page 19/180

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高齢者の長期療養ケアに関する一考察17重度患者の受け入れが多くなっており,療養病床の需要はますます大きくなっている。経営上の都合。・転換準備を進めていたが,国の方針で,介護療養病床の廃止が凍結する見込み....

高齢者の長期療養ケアに関する一考察17重度患者の受け入れが多くなっており,療養病床の需要はますます大きくなっている。経営上の都合。・転換準備を進めていたが,国の方針で,介護療養病床の廃止が凍結する見込みが感じられるため,転換を見送った。医療難民を作らないため,病床数を守りたい。・医療療養病床としてのニーズがある。休床一般病床を老健に転換している(17床)。安全を考えた施設の運営上,入院患者の対応には医療対応が必要か,いずれ必要になる方がほとんどで,専門職(医療)の配置が必須となるため,医療療養病床から老健などへの転換は考えられない。・職員配置,診療報酬上のメリットはほとんどないが精神科病院の合併症等治療に必要な病棟である。(5)介護療養病床の全廃方針に対する考え介護療養病床の全廃方針に対する賛否についての回答(有効回答数24,無回答数3 )をみると(図表19),「反対」という回答が83.3%,「どちらでもない」が16.7%である一方,「賛成」と回答した割合は0%であった。図表19 介護療養病床の全廃について度 数割 合賛成0 0.0%反対20 83.3%どちらでもない4 16.7%合計24 100.0%次に,その理由として自由記述方式で得られた回答を以下に紹介する。・要介護4 , 5 の方は病気にかかりやすく,十分な介護をしないと,呼吸器系の病気をおこしやすい(誤嚥性肺炎,他)。・すべてが介護の施設では看護師のボリュームが少なく,医療依存度の高い人のケアが十分ではなくなる恐れがある。・老人介護および核家族で自宅での生活維持不可能な重度障害者の安住の場がなくなる。要介護度2 ~ 3 の人が入所できる基準と報酬の見直し。