高知論叢107号

高知論叢107号 page 21/180

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高齢者の長期療養ケアに関する一考察19で,反対という答えになる。・介護療養型医療施設の果たしている役割から見ても全廃については再検討してほしい。現状の老健施設とは,医療機能に大きな差がある。特に高度な認....

高齢者の長期療養ケアに関する一考察19で,反対という答えになる。・介護療養型医療施設の果たしている役割から見ても全廃については再検討してほしい。現状の老健施設とは,医療機能に大きな差がある。特に高度な認知症で身体合併症の患者さんや意識障害の重い患者さんなど行き場がなくなる。・介護療養病床は,継続的な医療処置を必要とするため,在宅医療が困難であり,介護老人福祉施設や有料老人ホームへの入所を拒否させるような利用者が多数を占めている。介護療養病床が廃止となれば,医療療養病床又は介護療養型老人保健施設等への転換をせざるを得ないが,昨年度の看護報酬改定においても,重度療養管理加算が廃止となり大幅な減収となったため,次回の介護報酬改定において見直しがなければ,現状の利用者を継続して受け入れするとなると,ベッド数の削減を含めて一般や亜急性,緩和ケア等への転換も配慮しなければならない。そうすると,今後も増え続けるであろう重度の要介護者(経管栄養や痰吸引,インシュリン療法等)の受け入れがますます困難となるため廃止は反対である。・受け入れ先不足。・現在入院中の患者の行き先がなくなる。・今後は団塊の世代の高齢化が進みその方たちを診る病床が要ると思うので。(6)療養病床の役割また,療養病床が今後担う役割について,自由記述方式で得られた回答を以下に紹介する。・診療報酬の増額で介護職員の安定した雇用で患者の療養を充実させたい。一般病床からの患者の受け入れが直接在宅となると困難をきたす。胃ろう,経鼻チューブ,留置カテーテル(尿)は家庭では難しいと思われます。・術後,骨折後のリハビリが必要な患者(山間地域のため通院できない患者)が多い。急性期後,在宅・施設では厳しい患者さんの受け皿が必要。・長期的な療養が必要な場合,家庭内に主介護者を導入しなければ在宅での生活は成り立っていかない。現在では昼も夜も交代なしで家族が頑張っているから成り立っている。療養病床への入院患者の家族は,自分が世話をできな