高知論叢107号

高知論叢107号 page 23/180

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高齢者の長期療養ケアに関する一考察21・医学的管理が高い人の在宅療養の支援を行える機能,役割をもっと持てるようにする事が大切。現状況では,入院患者が常に満床の状態であり,在宅でショートを行うには医学的管....

高齢者の長期療養ケアに関する一考察21・医学的管理が高い人の在宅療養の支援を行える機能,役割をもっと持てるようにする事が大切。現状況では,入院患者が常に満床の状態であり,在宅でショートを行うには医学的管理が高く,急性期の病棟に入るには大きな変化がない事が多く,ショート的に利用できるものがないことが介護者にとって負担を多くしているのではないかと感じるところあり。また,後方施設の充実を図らなければ,病床の回転は難しく,長期化がますます進むと考える。・更に要医療度の高い患者を受け入れ,一般病床に近い職員配置での対応が望まれる。・高齢化社会を否定するような政策は,極めて非現実的かつ将来展望に欠けている。人は老いると“総合的に”衰えてゆくもので,医療と介護,そして在宅か施設かという細分化行政には無理がある。何がなんでも在宅へという発想も社会のあり方,家族のあり方とその現状を度外視しており方向づけに無理がある。したがって,“療養的”な病床の役割は社会の安定した国の出現には欠かせないものとますますなってくると思われる。・病状よりも医療処置の有無で判断されていたり,現在の慢性期病床での患者像に十分な対応できていない。医療区分1でも入院の必要性がない訳ではないが,経営上医療区分の高い患者が多くなっている。療養病床がなければ急性期医療は成り立たない。急性期病院の治療を引き継ぎ,救急難民を防ぎ,医療と介護が一体となった機能を維持していく。在宅医療の中心となるべきである(在宅療養支援病院)。・治療が必要な患者は,病院で治療・入院できるが老人等を診る施設が不足しているので療養病床は必要と考えます。(7)ケアのあり方最後に,患者の適切なケアとQOL の維持・向上のために最も重要なことについての回答(有効回答数27)をみると(図表20),有効回答のうち「診療報酬・介護報酬の見直し」という回答が33.3%ともっとも多い。次いで「医療区分の廃止・見直し」が18.5%,「施設基準・職員配置基準の見直し」,「職員の専門性の向上」がそれぞれ14.8%であった。