高知論叢107号

高知論叢107号 page 30/180

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28 高知論叢 第107号(3)看護に携わる者の業務すでに見てきたように療養病床において看護に携わる者には正看護師,准看護師,看護補助者がいるが,それらの業務分担はどのようになっているだろうか。看護に携わる....

28 高知論叢 第107号(3)看護に携わる者の業務すでに見てきたように療養病床において看護に携わる者には正看護師,准看護師,看護補助者がいるが,それらの業務分担はどのようになっているだろうか。看護に携わる者が業務として行う行為を26項目挙げ,各々について「常時行っている」「必要に応じて行っている」「行っていない」に分けて回答してもらった結果をまとめたものが図表34である。現在,「医行為」を介護職者が行うことの是非についてさまざまに議論されている。家庭であれば家族が担っている行為を介護職者が利用者に対して行うことの是非についてはここでは踏み込まず,今回の調査結果から実際に療養病床の現場で行われていることについて取り上げたい。「3.経管栄養」,「9.浣腸・摘便」,「22.傷の処置」,「23.パルスオキシメーターの装着」,「24.経口・経皮・外用薬の与薬」,「25.痰の吸引」,「26.胃ろうの処置」などが「医行為」に含まれるものといえるが,これらの行為についても程度の差こそあれ,一定程度は看護補助者が行っていることが明らかとなった。また,正看護師と准看護師での業務分担については,あまり明確な差異がみられなかったものの,移動に関わる「11.車いすでの移送」,「12.ストレッチャーでの移送」,「13.歩行・移動の介助」をはじめ,「2.水分補給」,「4.経管栄養の補助」,「22.傷の処置」などといった項目で比較的に大きな違いが見受けられる。さらに,個票レベルでは,役割分担のあるものとまったく違いのないものとが明確に分かれていたことを付記する。(4)医療区分ごとの望ましいケア現在の入院患者のうちで,療養病床での引き続きの入院が必要な患者と,福祉施設または在宅への移行が望ましい患者に分けてその人数について質問した。その結果が図表35である。引き続き入院が必要な患者の割合は,医療区分1では73.9%,医療区分2では80.9%,医療区分3では90.5%となっている。