高知論叢107号

高知論叢107号 page 35/180

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高齢者の長期療養ケアに関する一考察33れら資源の少ない地域も同じ基準で運営を求められ,資源が少ない分都市部に比べ余分なエネルギーを使わざるを得ない。都市部,へき地に限らず,独居・老老介護・認知症高齢者等....

高齢者の長期療養ケアに関する一考察33れら資源の少ない地域も同じ基準で運営を求められ,資源が少ない分都市部に比べ余分なエネルギーを使わざるを得ない。都市部,へき地に限らず,独居・老老介護・認知症高齢者等の増加に応えていけるだけの人的資源も施設も足りない(施設:収容を目的としたものではなく,在宅という観点から近所およびシュート利用の施設)。介護保険は,その理念が社会全体で支えるとしているが「在宅」に継げるということは家族の介護力に依存することであり,家族介護力の低いまたはないところへ継げられるわけがなく,在宅は家族というキーパーソンなどに展開できるものではない。家族の負担軽減となるレスパイトケアが充実され負担減を保障することが重要。へき地には医師はなかなか来ない,最低でも5 年くらいの期間はその地域で生活しないと1 ~ 2 年で仕方なく赴任させられころころ変わるのでは地域医療は安定しない。ほぼ24時間,365日拘束されるに近い中山間へき地へ行こうと思う人材は少ないでしょう。地域へき地の医療を支援する体制作り(医師が研修に行ける,学会に行ける,休めるなど)。医療:学生の時点から生活にも目を向ける教育が必要。介護:人生の生活設計につながる収入を保障すること。介護保険は不正防止は理解できるが記録類があまりに多すぎる(サービス残業につながる要因)。景気が回復すれば介護から人は去るかも。・在宅療養の場合,主介護者のマンパワー不足や,糖尿病などの場合はインスリン注射の医療行為に対する知識・技術の不安などが挙げられる。施設入所の場合では,経済的な理由での入所困難な事例や,家族の方々がケアするのに交通の便など個々の問題がある。また,現在は施設ではインスリン注射,血糖測定内服管理などは利用者に任されているため認知症のある方では,セルフケアは十分とはいえない。・社会福祉施設等,療養を重視した生活をしていける施設を十分整備して頂きたい。入所できない方が多くて,新しい利用者の受け入れができにくい状態である。・キーパーソンが,夫や妻から子供や孫になっている患者も多く,仕事を持ち,小さな子供をかかえていたりすると,すぐの対応が困難。住宅環境(改修が必要であるが,持ち家でないケースが多い)。経済的問題。家族の精神面